スマホ料金、東京(日本)は高いか安いか 総務省が6都市で国際調査
杉本崇
(最終更新:)
総務省は、2024年3月時点の東京、ニューヨーク(アメリカ)、ロンドン(イギリス)、パリ(フランス)、デュッセルドルフ(ドイツ)、ソウル(韓国)の6都市の携帯電話(スマホ)などのサービス価格を比較し、東京の立ち位置を明らかにしました。調査結果によると、複数のサービス形態で、元々割高感のあった東京は2020年度、2021年度ごろから廉価版料金プランの普及により一部サービスで価格が下落し、中位の水準となっていることが明らかになりました。
電気通信サービスに係る内外価格差調査とは
電気通信サービスに係る内外価格差調査は、東京を含む以下の6都市の電気通信サービスの価格を比較するものです。
東京
ニューヨーク
ロンドン
パリ
デュッセルドルフ
ソウル
原則、2024年3月時点で、調査対象都市におけるユーザシェアの高い事業者については上位3または4事業者、それ以外は最もユーザシェアの高い事業者を調査対象サービスごとに選定しました。
たとえば、スマートフォン(格安スマホのサービスを提供するMVNO)の調査で選定された事業者は以下の通りです。
都市 |
事業者名 |
東京 |
IIJ |
ニューヨーク |
Consumer Cellular |
ロンドン |
Tesco Mobile |
パリ |
NRJ Mobile(BTBD) |
デュッセルドルフ |
1&1 Drillisch AG |
ソウル |
KT M mobile |
通話時間やデータ通信料など月あたりの利用形態から想定される利用モデルにもとづき比較しています。
大手キャリアが含まれるスマートフォン(MNO)の調査で選定された事業者は以下の通りです。()内はシェア。
東京
NTTドコモ(34.9%)、KDDI・UQ・mobile・povo(26.8%)、ソフトバンク・Y!mobile・LINEMO(20.4%)、楽天モバイル(2.6%)
ニューヨーク
Verizon Wireless(35.3%) T-Mobile US・Metro(33.9%) AT&T Mobility(27.8%)
ロンドン
Telefonica UK(34.6%) BT Group(28.9%) Vodafone UK・VOXI(22.7%) Three・SMARTY(13.8%)
パリ
Orange・Sosh(31.0%)、SFR・RED(25.2%)、Bouygues Telecom・B&YOU(24.9%)、Free Mobile(19.0%)
デュッセルドルフ
Telefonica Deutschland Holding・Blau(37.8%)、Vodafone Germany・Otelo・SIMon Mobile(32.0%) Telekom Deutschland・Congstar・fraenk(30.1%)
ソウル
SK Telecom(41.3%)、KT(30.8%)、LG Uplus(27.9%)
スマホの調査結果概要 東京は中位の水準
スマホの調査結果の概要は以下の通りです。
スマートフォン(MNO:シェア1位事業者)について、東京は4Gのすべての容量で中位の水準となり、5Gでは、2GB、5GB、20GB で低い水準、50GB、100GB、無制限で中位の水準となっていました。
スマートフォン(MNO:最安)について、東京は、4Gと5Gで、2GB、5GB、 20GB、50GB 及び 100GB では中位の水準となり、無制限では低い水準となっていました。
スマートフォン(MVNO)について、東京は4Gにおいて、2GB、5GB、20GBと50GB で中位の水準となり、5G において、2GB 及び5GB で低い水準、20GBと50GB で中位の水準となっていました。
価格の年度推移をみていくと、東京は元々割高感がありましたが、MNOやMVNOの4Gのデータ容量が比較的少ない利用モデルで比べると、2020年度、2021年度ごろから価格が下落しています。
これは、NTTドコモが2021年、廉価版料金プランNTTドコモが「ahamo」を発表して以降、KDDIが「povo」、ソフトバンクが「LINEMO」と相次いで同種のプランを提供したことが一つの要因だとみられます。
経営者に役立つメルマガを配信 無料会員登録はこちら
この記事を書いた人
-
杉本崇
ツギノジダイ編集長
1980年、大阪府東大阪市生まれ。2004年朝日新聞社に記者として入社。医療や災害、科学技術・AI、環境分野、エネルギーを中心に取材。町工場の工場長を父に持ち、ライフワークとして数々の中小企業も取材を続けてきた。
杉本崇の記事を読む