KADOKAWA、サイバー攻撃の復旧・補償の特別損失に36億円
KADOKAWAは、2025年3月期通期連結業績見通しを発表し、ランサムウェアによる大規模なサイバー攻撃の影響により2025年3月期に36億円の特別損失を計上する見通しを明らかにしました。ニコニコサービスのクリエイター補償費用や調査・復旧費用などに充てる予定です。
KADOKAWAは、2025年3月期通期連結業績見通しを発表し、ランサムウェアによる大規模なサイバー攻撃の影響により2025年3月期に36億円の特別損失を計上する見通しを明らかにしました。ニコニコサービスのクリエイター補償費用や調査・復旧費用などに充てる予定です。
KADOKAWAグループのドワンゴの公式サイトなどによると、ニコニコサービスは2024年6月8日6時ごろからニコニコサービス全体において正常に利用できない場合がある不具合が起きていると発表。
グループ企業のデータセンターがランサムウェアを含むサイバー攻撃を受け、相当数の仮想マシンが暗号化され、利用不能になっていることが発覚。その結果「ニコニコ」をはじめとするウェブサービス全般のシステムが停止しました。
サイバー攻撃は、発覚後も繰り返され、第三者が遠隔からシャットダウンしたはずのサーバーを起動させて感染拡大を図るといった行動が観測されていたといいます。
そのため、サーバーの電源ケーブルや通信ケーブルを物理的に抜線し封鎖しました。その結果、グループ企業が提供するデータセンターに設置されているサーバーはすべて使用不可となりました。オフィスへの出社を原則禁止とし、社内ネットワーク、社内業務システムも停止する対応を取りました。
個人情報の漏洩は社内外の25万4241人に上ったといいます。一部取引先との契約書も含まれていました。漏洩の根本原因について、ドワンゴは、フィッシングなどの攻撃により従業員のアカウント情報が盗まれたことが原因と推測しています。
出版・IP創出事業では出荷減影響があった既刊の1日当たりの出荷部数が、8月中旬以降は概ね平常時の水準に回復する見込みでだといいます。また、Webサービス事業では9月以降、全面的なサービス復旧を目指しています。
サイバー攻撃の影響を踏まえ、KADOKAWAは8月に2025年3月期の通期連結業績見通しを発表しました。
売上高は電子書籍事業やアニメ事業、ゲーム事業などの好調を見込み、期初の見通しを維持して2713億円で据え置きました。
ただし、営業利益は期初見通しから9億円下げて156億円、親会社株主に帰属する当期純利益は期初見通しから37億円下げて97億円と見込んでいます。
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