目次

  1. 高い技術で成長したが…
  2. 意識したのは「くまモン」
  3. 工程の棚卸しから生まれた発想
  4. 鍋やシェーカーの市場開拓
  5. 失敗や挫折の乗り越え方は
  6. 「ドラクエ的な人材活用」
  7. 出来ないことは前向きに諦める
  8. 交流会でも弾んだ会話

 デザイン経営パーラーは、デザインの力を事業成長や組織改革に生かしている中小企業の後継ぎ経営者を招き、実践例を伝えるイベントです。2024年1月の東京開催に続き、2回目となります。

 今回は東海地方に根を張りながら、デザイン経営の視点を生かして、既存技術からヒット商品を生み出した中村製作所と横山興業の後継ぎ2人を招きました。

 中村製作所は1969年に創業しました。「空気以外は何でも削る」という理念を掲げ、1000分の1ミリ単位の切削加工技術が強みです。H3ロケットや潜水艦、人気テーマパークのアトラクションに至るまで多様な精密部品を扱っています。1977年生まれの山添さんは、急逝した父の後を継ぎ、24歳で社長になりました。

 横山興業は1951年に創業。高い金属加工技術を生かし、シートの背もたれ、腰掛け、ひじのフレームといった自動車部品と、住宅の屋根材や壁材などの建材が柱です。横山さんはウェブデザイナーなどを経て家業に入りました。現在は兄が社長を務め、横山さんは建材事業と新ブランドを担当しています。

 東海地方を代表する工業地域にある両社は、高い技術力を背景に成長曲線を描きました。しかし、2008年のリーマン・ショックや2011年の東日本大震災などを境に、経営は大きな曲がり角を迎えます。

デザイン経営パーラーは用意した席がびっしり埋まりました
デザイン経営パーラーは用意した席がびっしり埋まりました

 デザイン経営パーラ―ではまず、山添さんと横山さんが、それぞれ苦しかった時代を振り返りながら、商品の開発秘話を明らかにしました。

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