目次

  1. 時差出勤もテレワークも可能に
  2. 時差出勤を導入「満員電車が嫌だった」
  3. 「相槌を打って」と注意書き
  4. オフピーク定期券の活用法
  5. オフピーク定期券拡大に必要な意識改革
  6. 令和のスタンダードに合わせる

 三栄国際特許事務所は1955年に創業しました。企業などが、特許や実用新案、商標といった知的財産の権利化を進めるための書類作成や交渉を手がけています。

 主なクライアントは、機械、電子、IT系などの中小企業です。国内だけでなく、海外が絡む案件も半数以上を占めます。また、企業向けの知的財産セミナーを担うこともあります。

 事務所では現在10人が働いていますが、勤務体系はまちまちです。午前9時~午後5時半の通常勤務に加え、午前7時半~午後4時、午前11時~午後7時半の時差出勤ができます。

 さらに、午前中は自宅でテレワークをして、午後は事務所で働くといった併合勤務(テレハーフ)を選ぶ所員もいます。完全テレワークもできるので、日中、事務所にいるスタッフは4~5人程度だそうです。

 2021年から所長を務める横堀芳徳さんは、「所員の皆さんの働き方を強制したくはありません。しっかりと仕事をしていただくことが大切だと思っています」と話します。

 コロナ禍以前は、リアル出勤が当たり前の文化だったといいます。

 副所長の武智功さんは「正直、健康経営やウェルビーイングというのは考えたことがありませんでした。事務所から強制されたわけではありませんが、私個人は、ほぼ毎日終電で帰るという無茶苦茶な働き方をしていました」と明かします。

 2020年、緊急事態宣言が発令され、事務所も在宅勤務を余儀なくされました。武智さんは「健康経営やウェルビーイングに取り組み、働き方を見直すいい機会」として捉えました。

 「社会的意義やガバナンスの強化はもちろんですが、所員へのリスペクトやお客様へのイメージも意識しました」

 武智さんは密を避けるため、時差出勤や併合勤務を導入しました。

 「私自身、満員電車に乗るのがものすごく嫌でした。私が働きやすい時間帯をたたき台に、時差出勤の勤務体系を考えていきました。リアルでしか仕事がはかどらない人もいるので、時差出勤の時間帯も複数作りました」

 同時にテレワーク導入も進めました。自宅から事務所のパソコンにアクセスするツールや、従業員同士のコミュニケーションツールは、できるだけ無料のものを使ってハードルを下げました。書類に押す実印も電子印に変更しました。

 「運用を変えることに抵抗もありましたが、説得を重ね、今はスムーズに業務ができるようになりました」

横堀さんは、時代の変化に合わせた働き方を進めています

 テレワークで課題になるのは、顔を合わせないことによるコミュニケーション不全です。三栄国際特許事務所では、テレワークの運用にあたって「注意書き」を作ったといいます。

 武智さんは「チャットツールだと返事はしなくていいと思う人もいますが、コミュニケーションはリアルと一緒です。『連絡を受けたときは必ず相槌を打ってください』とお願いしました。また、業務が最優先なので、必要のあるときはリアルの通常出勤をお願いすることもあります」と話します。

 健康経営やウェルビーイングを実現するためには、リアルでもオンラインでも、社員間の活発なコミュニケーションが欠かせません。

 三栄国際特許事務所は、年配の所員が多いので、「コミュニケーションが不得手な人には、あえて余計な雑談をするようにしています」(武智さん)といいます。

 新型コロナウイルスの5類移行後も、三栄国際特許事務所はテレワークや時差出勤の仕組みを続けています。

 武智さんは「リアルだけだったときより、仕事の時間や労力が軽減されたと感じます。時間や場所を気にせずに仕事ができるので、パフォーマンスも上がりました。満員電車が嫌だったり、子育てや介護などの事情を抱えていたりする方に、融通の利く働き方を提供することで、健康経営にも貢献できているのかなと思います」と話しました。

 三栄国際特許事務所のような時差出勤の一助となるのが、JR東日本のオフピーク定期券です。

 東京周辺のJR線が対象で、平日朝のピーク時間帯以外に利用可能な、通常の通勤定期券より割安な定期券です。2024年10月1日からは割引率が約15%になります。ピーク時間帯は各駅で異なりますが、例えば、JR新宿駅は午前7時半~午前9時に指定されています。

 JR線(対象エリア内)と私鉄・地下鉄線にまたがるSuica通勤定期券(連絡定期券)でも、オフピーク定期券の発売が可能で、JR線の運賃に割引が適用されます。

オフピーク定期券画像

 三栄国際特許事務所で働く女性所員も、通勤にオフピーク定期券を利用している一人です。東小金井駅を午前9時20分ごろに出て新橋駅で降り、事務所には午前10時半ごろに到着します。

 「朝型の人間なので、午前5時半から7時半まで家で仕事をしています。その後に食事の支度などをして家を出て、比較的空いている電車に乗れます。車内では座って読書などをして、少し気分転換してから、もう一度気持ちを入れ替えて事務所で仕事に取り組めます。オフピーク定期券の利用で、パフォーマンスは上がっていると思います」

 時差出勤が導入される前は、午前9時~午後5時半の通常勤務で、満員電車に揺られていました。「コロナ禍が始まった時に通勤電車に乗るのは本当に怖かったです」と振り返ります。

 2023年にオフピーク定期券が始まるまでは、オフピークポイント(平日朝の時差通勤によりJRE POINTが付与されるサービス)を利用していました。JRE POINTのアプリを見て、よりお得なオフピーク定期券のことを知り、サービス開始時から利用しています。「オフピーク定期券は土日祝日も制限なしに乗れるのもいいですね。ちょっとした買い物に行くときにも使っています」

 オフピーク定期券は通常の通勤定期券より割安になるため、経営側にはコストダウンのメリットもあります。ただ、三栄国際特許事務所では、通常の通勤定期運賃相当額を支給し、所員にメリットのある形にしています。

 オフピーク定期券は大企業の利用が多いイメージがありますが、実際には利用者の3割が中小企業です。

 武智さんも「オフピーク定期券を使えるような働き方にできるかどうかが、大事になります。それはまさに経営者の判断です。コロナ禍が収まり、リアル出社に戻す企業が多くなったことで、電車がまた混み合うようになりました。オフピーク定期券を広めるには、経営者の意識改革が必要かもしれません」と話します。

 三栄国際特許事務所では、今後も健康経営やウェルビーイングを推し進めて、さらなる事業成長を目指します。

 武智さんは事務所の将来も見据えて、こう話します。

 「これから若い人材が事務所に入る可能性があります。我々が育ってきた昭和の文化ではなく、令和のスタンダードに合わせなければいけません。企業には、従業員の健康への配慮が一層求められています。オフピーク定期券は、ウェルビーイングな働き方を後押しする施策の一つではないでしょうか」

 所長の横堀さんも「所員が自分の仕事をコントロールできる環境を整えていきたいと思います」と話しました。

 JR東日本のオフピーク定期券に関する詳しい資料は、こちらからダウンロードできます。

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提供      :東日本旅客鉄道株式会社
企画/制作   :朝日インタラクティブ株式会社 営業部
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