目次

  1. JR貨物の検査データの改ざんの概要
  2. 国土交通省は11日に特別保安監査
  3. 物流各社の配送に影響続く

 国交省のプレスリリースによると、車両の車軸組立時に車輪や歯車等を車軸にはめるための圧力を管理・記録することとなっているにも関わらず、JR貨物では、輪軸組立時の大歯車圧入力値が基準値を超過し、また、当該歯車圧入力値に係る記録簿の差し替えが行われていたといいます。

 JR貨物の社内調査で、複数の車両で基準値超過や改ざんが確認されたため、安全確認がとられるまで使用を停止することとなりました。

  1. 北海道支社輪西車両所の貨車309両
  2. 関東支社川崎車両所の貨車218両
  3. 関西支社広島車両所の機関車4両・貨車33両

 JR貨物によると、上記3車両所に加え、新たに確認が必要となった車両が発生したため、貨物列車 248 本の運行を取りやめたといいます。安全が確認された列車から順次運転を再開しているといいます。

 JR貨物はSNSで「順次ダイヤは正常化する見込みです。一部貨車の運用停止に伴い、今後編成両数を減らして運転する場合がございますが、通常通りの運転本数を予定しております」とのコメントを出しています。

 国交省は、9月9日にJR貨物に対し、報告対象となる輪軸を備えた車両について、安全に運転することができる状態であることが確認されるまで、使用を停止することなどを指示しました。そのうえで、11日から特別保安監査を実施し、安全管理体制を確認していました。

 そのうえで、国交省は13日、全国の鉄道や路面電車の事業者に対し、現在運用している全車両の緊急点検を指示しました。30日までの報告を求めています。

 JR貨物の運休の影響で、物流各社は12日朝時点でも引き続き遅配のお知らせを案内しています。佐川急便の公式サイトによると、9月9日以降に発送された 関東・中部・近畿→北海道・九州、九州→関東向けの荷物に遅延する可能性があると公表したうえで「代替の輸送手段への切り替えを検討し、遅延を最小限に抑えるために最善を尽くしてまいります」と説明しています。

 ヤマト運輸の公式サイトも、以下の地域で9月10日、11日に発送された荷物について1日以上の遅れが生じる見込みだと案内しています。

  • 東京、関東地域(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)から九州地域、北海道あての荷物
  • 九州地域(福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県、宮崎県、鹿児島県)、北海道から東京、関東地域あての荷物

 福山通運の公式サイトでも、貨物列車運休の影響を受け、全国から北海道・東北・関東・中四国・九州宛ての荷物で配送に遅れが出る可能性があると説明しています。

 遅延の影響が出ている西濃運輸の公式サイトは、商品の配送状況を案内しています。