目次

  1. SNSで発信したくなる店に
  2. 「偽物では?」とからかわれ
  3. ヨドバシカメラで修業
  4. 一般社員からのスタート
  5. 現場の店長に権限委譲
  6. 花道を作って社長就任
  7. 爆買い終了で商品構成を見直し
  8. フリマアプリとの向き合い方

 ポップアートに囲まれた空間に、買い取り品のバッグやシューズ、時計や服がずらりと並びます。コメ兵が2023年11月、東京・渋谷のスペイン坂下にオープンした旗艦店「KOMEHYO SHIBUYA」を訪ねると、国内外の若者が商品を手に取る姿が目立ちました。リユース店のイメージを覆し、ポップカルチャーの街に溶け込んでいます。

 1階にはトレンドアイテムがそろい、2階は過去の名作アイテムなどが集結、3階はコラボ商品などを販売しています。4階には、コメ兵の強みの買い取りスペースをバーカウンター風にアレンジ。各階の表情が異なる仕掛けです。

旗艦店のKOMEHYO SHIBUYA(コメ兵HD提供)
旗艦店のKOMEHYO SHIBUYA(コメ兵HD提供)

 「店舗開発に携わるメンバーには、『コメ兵のお客様はこういう方々』と決めつけず、既存店と同じような店にしないでほしいと伝えました。みんなが話し合った結果、グローバルなZ世代の心をつかみ、思わずSNSで発信して行きたくなるお店をつくりましょうとなったんです」と石原さんは振り返ります。

 国内228店舗、海外21店舗を出店し、売上高1194億円(連結)に成長したコメ兵HD。しかし、石原さんが幼いころは名古屋市内のいちリユース店でした。

「渋谷らしさ」を表現したKOMEHYO SHIBUYA1階(コメ兵HD提供)
「渋谷らしさ」を表現したKOMEHYO SHIBUYA1階(コメ兵HD提供)

 コメ兵は1947年、石原さんの祖父大二さんが開いた約5坪の古着屋「米兵商店」から始まりました。

 石原さんが小学生のころ、名古屋市の大須商店街に1店舗を構えていました。当時は周囲にリユース店がなく、その地位も今より低いもので、石原さんは家業に少しマイナスのイメージも持っていたそうです。

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