目次

  1. 自社商品の9割がふりかけ
  2. 祖父に感じた商売人のすごみ
  3. ベトナムから即戦力で呼び戻され
  4. 経営危機で立て直しを図る
  5. ふりかけグランプリで金賞
  6. 新法人で再生の道へ
  7. プレミアムふりかけがヒット
  8. おむすび直営店をオープン
  9. 「ごはんの友」のM&Aも計画

 「実は当社は2017年に特別清算(清算型の倒産手続き)をしています……」

 澤田さんは、そう切り出しました。

 澤田食品は自社商品の9割がふりかけ、1割がおつまみという食品メーカーです。アイテム数はふりかけだけで約30種類にのぼり、魚介・海藻類を素材として使っています。

澤田食品の「生ふりかけ」(澤田食品提供)
澤田食品の「生ふりかけ」(澤田食品提供)

 商品開発、素材の仕入れから製造・封入・梱包・発送まで一貫して行い、通信販売にも対応しています。従業員は約100人(うち正社員20人)。販路は商社とスーパーマーケットが半々で、長く消費者に愛されています。

 年商は先代時代の9億円から大きく伸ばし、2023年度は16億円となっています。そこに至るまでは、荒れた海へ船を出すような苦労がありました。

 澤田食品のふりかけの特徴は、柔らかな食感にあります。サラサラした顆粒ふりかけと違い、しっとりしているのです。3代にわたるロングセラー「いか昆布」は、アカイカのスライスがソフトな状態のままで「生ふりかけ」と呼んでいます。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。