イトーヨーカ堂の取引先、全国に1万社 取引高は5年前から8.4%減
イトーヨーカ堂のサプライチェーン企業は2024年7月時点で、国内に1万485社あり、派生する売上高は1兆7706億円に上ると帝国データバンク(TDB)が発表しました。しかし、2019年と比較すると、取引高は1627億円、8.4%相当減少しました。イトーヨーカ堂の事業再編が進むなか、帝国データバンクは「ヨーカ堂向けに生鮮魚介や青果の供給を担う中小企業に広く影響を及ぼす可能性がある」と指摘しています。
イトーヨーカ堂のサプライチェーン企業は2024年7月時点で、国内に1万485社あり、派生する売上高は1兆7706億円に上ると帝国データバンク(TDB)が発表しました。しかし、2019年と比較すると、取引高は1627億円、8.4%相当減少しました。イトーヨーカ堂の事業再編が進むなか、帝国データバンクは「ヨーカ堂向けに生鮮魚介や青果の供給を担う中小企業に広く影響を及ぼす可能性がある」と指摘しています。
イトーヨーカドーの公式サイトによると、セブン&アイ・ホールディングスの中核企業の一つで、1920年に創業した総合スーパーです。
収益性が落ち込むなか、アパレル事業からの完全撤退に加え、首都圏中心に店舗を集約し、2026年までに国内33店舗の閉鎖を予定しています。
さらに、カナダのアリマンタシォン・クシュタール社から買収提案を受けたことを受け、セブン&アイHDは、傘下のイトーヨーカ堂など主力となるコンビニエンスストア以外の非中核事業を整理する方針を明らかにしています。
帝国データバンクは、個別企業間の全取引シェアを推計するモデル(NIHACHI)」を用いて、イトーヨーカ堂のサプライチェーンの傘下企業や取引企業の売上高がイトーヨーカ堂に対し、どの程度依存しているかを算出しました。
その結果、2024年7月時点でイトーヨーカ堂に生鮮品を供給する企業やテナント出店企業など国内に1万485社あり、その取引高は1兆7706億円に上ることが分かりました。
一方、5年前(2019年)と比較してみると、企業数は74社と0.7%減り、取引高は1627億円と8.4%減少しました。地方を中心にイトーヨーカ堂の店舗が閉鎖を続けている中で、供給網は維持されているものの、売上規模は大きく縮小している。
供給網を構成する企業を業種別に見ると、配送業務などを担う「一般貨物自動車運送」が872社を占めました。
店舗間配送のほか、ヨーカ堂向けに物品を供給する企業間輸送などの業務が多いことを背景に、「他の食料・飲料卸(バター、水産練り製品など)」(377社)に比べて2倍以上の水準だったといいます。
このうち、ヨーカ堂と直接取引を行う企業(Tier1)をみると、「野菜卸」(65社)が最も多く、「他の食料・飲料卸」(64社)、「生鮮魚介卸」(48社)など、生鮮食品を中心とした商社が多くみられました。
都道府県別に見ると、社数で最も多いのは「東京都」の2526社、取引高は1兆1314億円に上りました。埼玉県・千葉県・神奈川県を含めた首都圏エリアで、社数ベースで約4割、取引高では約7割を占め、ヨーカ堂の供給網は首都圏に本社を置く企業を中心に構成されていることがわかります。
一方、5年前(2019年)と比較すると、社数の減少が最も大きいのは「北海道」で、取引社数は650社から583社、割合にして10.3%減少しました。
北海道では、札幌都市圏を含め全店舗の閉鎖が公表されており、閉鎖対象の店舗などへ商品配送を行っていた企業の供給網で影響が及ぶ可能性があるといいます。
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