信用スコアのクレジット・ガイダンス、CICがネット開示を10月再開
杉本崇
(最終更新:)
信用スコア「クレジット・ガイダンス」のイメージ(CICのプレスリリースをもとに編集部作成)
信用スコアとは、クレジット契約などの取引事実をもとに個人の信用力を数値化した指標で、融資時などの与信審査に使われます。割賦販売法および貸金業法にもとづく指定信用情報機関のCIC(シー・アイ・シー)は2024年11月28日から、自社で提供する信用スコア「クレジット・ガイダンス」の個人への開示を開始します。第三者によるなりすましの開示請求がありインターネットによる開示サービスを休止していましたが、マイナンバーカードを用いた本人確認の強化を行った上で2025年10月9日にサービスを再開予定だといいます。
信用スコアとは CICでは「クレジット・ガイダンス」
CICの公式サイトによると、信用スコアとは、クレジット契約の支払状況・残高・契約数・契約期間・申込件数をもとに、個人の信用力を数値化した指標です。性別・年齢・年収・職歴・学歴・家族構成は影響しないとしています。
信用スコアを算出するときは、AIによるブラックボックス化を避けるため、統計的手法により算出するとしています。
金融機関やクレジットカード会社は、与信の際に信用スコアを参考に、融資の可否や金利、限度額などを判断します。
CICは2025年4月1日からクレジットカード会社などに自社の信用スコア「クレジット・ガイダンス」を提供するのを前に、2024年11月28日から個人向けに開示を始めます。
CICとは
CICとは、1984 年に創立した、主に割賦販売や消費者ローン等のクレジット事業を営む企業を会員とした、割賦販売法および貸金業法の両法令に基づく指定を受けた指定信用情報機関です。
2024年3月時点で、加盟企業はクレジットカード会社、ショッピングクレジット会社、携帯電話会社、消費者金融会社、金融機関(銀行・農協等)、住宅ローン会社、保証会社など837社、登録されている信用情報の件数は8.3億件に上ります。
CICの信用スコアの開示でわかること
CICは、信用スコア「クレジット・ガイダンス」で「指数」と「算出理由」の2つを提供します。指数は200~800の3桁の数値で、信用状態を示します。
算出理由は、「未入金がないため、指数にプラスの影響を与えています」など指数の算出に特に影響を与えた理由が最大4つを表示します。
信用スコアを開示する手続きとオプトアウト
信用スコアは指数・算出理由も含めて2024年11月28日から、個人で開示申し込みをして、確認することができます。信用情報の開示には、インターネットからの手続きで500円、郵送での手続きで1500円が必要です。
一方、11月28日以降に手続きをすれば、加盟企業への第三者提供をオプトアウト(停止)することもできます。
インターネット開示を休止 2025年10月から再開へ
CICは2025年4月、インターネットによる信用情報の開示サービスで、なりすましによる第三者から当社にインターネット開示の申込みがあり、当社がお客さまの信用情報を第三者に開示した可能性があると発表しました。
そのため、インターネット開示(クレジット・ガイダンス情報の開示を含む)のサービスを停止しており、郵送による開示のみに限定していました。
その後、マイナンバーカードを用いた本人確認の強化を行った上で2025年10月9日にインターネット開示サービスを再開予定だと発表しました。
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この記事を書いた人
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杉本崇
ツギノジダイ編集長
1980年、大阪府東大阪市生まれ。2004年朝日新聞社に記者として入社。医療や災害、科学技術・AI、環境分野、エネルギーを中心に取材。町工場の工場長を父に持ち、ライフワークとして数々の中小企業も取材を続けてきた。
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