「物流特殊指定」違反のおそれ 公取委、無償業務でイトーキに警告
公正取引委員会は2024年11月28日、オフィス家具の製造販売を手掛ける「イトーキ」に対し、物流業務を委託している事業者に納品場所以外での業務を無償で行わせている行為などが独占禁止法の定める「物流特殊指定」に違反する疑いがあるとして、警告しました。イトーキは「委託先物流事業者との取引適正化に向けた取り組みを全社をあげて推進します」とコメントしています。
公正取引委員会は2024年11月28日、オフィス家具の製造販売を手掛ける「イトーキ」に対し、物流業務を委託している事業者に納品場所以外での業務を無償で行わせている行為などが独占禁止法の定める「物流特殊指定」に違反する疑いがあるとして、警告しました。イトーキは「委託先物流事業者との取引適正化に向けた取り組みを全社をあげて推進します」とコメントしています。
公取委の公式サイトによると、物流特殊指定とは、物流分野における取引の公正化を図ることを目的に、荷主と物流事業者の取引における優越的地位の濫用を規制するために定められた独占禁止法上の告示です。
公正取引委員会は、物品の運送や保管を委託する取引のうち、荷主と物流事業者との取引については物流特殊指定を運用し、また、物流事業者間の再委託取引については下請法を運用しています。
物流特殊指定に違反するおそれのある事例としては以下のような行為があります。
公取委の公式サイトによると、物流業務を委託している事業者に対し、以下の行為が独占禁止法19条(物流特殊指定)が定める「不当な経済上の利益の提供要請」の規定に違反するおそれがあるといいます。
家具の積み込みや残材引き渡しはイトーキの物流倉庫で行われ、配送後の夜行う場合もあれば、配送前の朝行う場合もあったといいます。
公正取引委員会は、イトーキに対し、こうした行為を取りやめ、今後、同じようなことをしないよう警告したところ、物流事業者に無償で行わせていた役務に対する対価を過去に遡って支払うこと、物流事業者との取引条件を見直して書面により明確化することなどの措置を講じる旨の申出があったといいます。
イトーキは公式サイトで以下の通りコメントを発表しました。
「弊社としては今回の行政指導(警告)を極めて重く受けとめており、委託先物流事業者との取引適正化に向けた取り組みを全社をあげて推進し、適切な関係の構築を進めてまいります」
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