目次

  1. 産業雇用安定助成金とは
  2. 産業雇用安定助成金に災害特例人材確保支援コース(仮)
  3. 雇用調整助成金地震特例と同様の休業支援も

 産業雇用安定助成金とは、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、在籍型出向により労働者の雇用を維持する場合に、出向元・出向先双方の事業主に対して経費の助成を行う助成金です。

 ここでいう「在籍型出向」とは、出向元企業と出向先企業との間の出向契約によって、労働者が出向元企業と出向先企業の双方と雇用契約を結び一定期間継続して勤務することを指しています。

 出向元企業としては、従業員の雇用を守りつつ、需要が回復したときに人材確保しやすいというメリットがあり、出向先企業にも即戦力を確保できるというメリットがあります。

 2024年は能登半島地震や能登半島豪雨があり、地元企業に大きな影響を及ぼしました。半島という地理的制約に加え、高齢化が著しく進む過疎地域でもあり、企業の雇用維持と地域の人材確保の両立が難しいという制約を抱えています。

 そこで厚労省は、産業雇用安定助成金のなかに、災害特例人材確保支援コース(仮)を設けて地元企業の人材確保を支援する方針です。

 要件は以下の2つです。

  • 令和6年能登半島地震に伴う経済上の理由により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた出向元事業主(ハローワーク輪島及びハローワーク七尾の管内)
  • 施行日以降に新たに開始する出向であること

 要件を満たす中小企業の場合、助成率は4/5、中小企業以外で2/3となります。

 このほか、厚労省は能登半島地震に関わる雇用調整助成金について、生産指標要件や雇用量要件等の支給要件の緩和、助成率の引き上げ、支給日数を延長する地震特例を設けてきました。

 自然災害の影響が残るなか、厚労省は能登地域で、地震特例と同様の休業支援を一定期間受けられる措置を設ける予定です。

 具体的には、令和6年能登半島地震及び今般の豪雨災害の影響を受けた、ハローワーク輪島及びハローワーク七尾の管内の雇用保険適用事業所に対し、支給限度を1年300日とし、中小企業には4/5、中小企業以外には2/3の助成率で支援する予定です。