目次

  1. 電気興業とは
  2. 公取委が下請法違反と認定した事実
  3. 電気興業、下請事業者に支払いへ

 電気興業の公式サイトによると、発祥は1925年、当時、時代の要請であった海外との無線通信の充実を図るため設立された国策会社、日本無線電信株式会社(後に国際電気通信株式会社)にさかのぼります。

 第二次世界大戦の終結に伴い、国際電気通信株式会社が解散されたことにより、同社の第二会社として、1950年、電気興業株式会社が設立されました。

 その後、通信・放送施設の設計・建設・改修の工事業務を中心に、各種アンテナならびに鉄塔、マイクロ波中継用平面反射板、送受信局舎、伸縮柱などの設計・製作・建設などの電気通信施設に関する事業を順次拡大してきました。

 公取委の公式サイトによると、電気興業は、下請事業者に対して自社が所有する金型、樹脂型又は治具を貸与していました。

 しかし、合計339個の金型等について、遅くとも2021年9月1日以降、金型等を用いて製造する部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者20社に対し、無償で保管させることにより、下請事業者の利益を不当に害していたといいます。

 公取委はこうした行為が下請法違反にあたるとして勧告しました。

 電気興業は、2022年10月から2024年8月までの間に、金型等339個のうち、合計167個の金型等を下請事業者14社から回収または廃棄したといいます。

 電気興業は公式サイトで「本金型等を無償で保管させたことによる費用に相当する額については、公正取引委員会の確認を得た上で、速やかに下請事業者様にお支払いいたします。また、対象となる金型等のうち、次回以降の具体的な発注時期を示せない金型等167個については、2022年10月から2024年8月までの間に廃棄の対応を既に実施しております」と明らかにしました。