目次

  1. 2025年旅券とは 新しいパスポートの特徴
    1. 国立印刷局で作成 交付までの期間が長く
    2. 顔写真ページ・渡航先ページに偽変造防止技術
  2. 2025年旅券導入の背景
  3. オンライン申請の利便性向上
    1. 窓口訪問は受取時のみ
    2. 戸籍謄本の提出が不要
    3. オンライン申請の方が手数料が安い

 2025年旅券とは、偽造・変造対策を大幅に強化した新しいパスポートのことです。2020年旅券から5年ぶりの更新となります。

 外務省の公式サイトによると、2025年旅券には、いくつかの変更点があります。

 これまで、パスポートは申請を受理した都道府県の旅券事務所などで作成・交付されていました。しかし、2025年旅券は、国立印刷局で作成し、その後、都道府県に配送されます。

 そのため、国内では申請から交付までに約2週間、国外(大使館・総領事館)では2週間から1ヵ月程度かかる見込みです。渡航を計画している場合は、出発の1ヵ月前までに申請するよう外務省が呼び掛けています。

 新しい旅券の顔写真ページは、プラスチック基材になり、レーザーで印字・印画されます。渡航先ページと合わせて、具体的には、以下のような偽変造防止技術が採用されています。

  • ページを傾けると文字模様が虹色に変化するオリジナルホログラム
  • ページを傾けると顔写真が切り替わる(MLI)
  • 傾けると色が変化するスクリーンパールインキ

 また、渡航先ページには、カラーの顔画像も印刷されます。さらに、渡航先ページには、白黒すき入れが施されています。

 2025年旅券の導入は、国際民間航空機関(ICAO)の勧告にもとづいたものです。近年の偽造技術の高度化に対応しています。

 2025年3月24日以降はオンライン申請の利便性も向上します。すべての都道府県で、オンラインによる新規申請及び切替申請(残存有効期間が1年未満の更新)が可能になります。オンライン申請のメリットは以下の通りです。

 オンライン申請を利用すれば、旅券事務所の窓口を訪問するのは、パスポートを受け取る時の一度だけで済みます。

 オンライン申請では、戸籍情報がシステム連携されるため、戸籍謄本の原本を提出する必要がなくなります。詳しく言うと、申請者がマイナンバーカードを使ってマイナポータルで戸籍連携に同意の上、オンライン申請を行うと、戸籍符号が旅券申請データと共に旅券発給管理システムに送信され、システム上で戸籍電子証明書(戸籍謄本)が連携されるため、申請者は電磁的に戸籍謄本を提出したことになります。

 従来の都道府県手数料の標準額は申請形態は関係なくずべて2000円ですが、2025年3月24日からは窓口申請とオンライン申請で手数料が異なり、オンライン申請の方が安価になります。

国の手数料 都道府県手数料
10年有効旅券 書面申請 1万4000円 2300円
オンライン申請 1900円
5年有効旅券 書面申請 9000円 2300円
オンライン申請 1900円
5年有効旅券(12歳未満) 書面申請 4000円 2300円
オンライン申請 1900円