米国の電子渡航認証システム(ESTA)とは モバイルアプリで申請可能に
杉本崇
(最終更新:)
米国への渡航に必要なESTAの申請の流れ
米国税関・国境警備局(CBP)は2023年6月、日本などから米国へ渡航するときに必要な電子渡航認証システム(ESTA)のモバイルアプリの提供を開始したと発表しました。これまではCBPの公式サイトでのみ受け付けていました。モバイルアプリは日本語を含む24ヵ国語に対応しており、App Store(Apple)またはGoogle Playストア(Android)から無料のESTAモバイルアプリをダウンロードできます。2025年5月から自撮り写真のアップロードが義務化されているので注意してください。
電子渡航認証システム(ESTA)とは
米国大使館の公式サイトによると、電子渡航認証システム(Electronic System for Travel Authorization:ESTA)とは、ビザ免除プログラムを利用して渡米する旅行者の適格性を判断する電子システムです。
ESTAは、米国国土安全保障省(DHS)により2009年1月12日から義務化されました。90日以内の短期商用・観光の目的で渡米しようとする場合(米国における乗り継ぎ含む)は、査証(ビザ)は免除されています。
ただし、米国行きの航空機や船に搭乗する前にオンラインで渡航認証を受ける必要があります。事前にESTAの認証を取得していない場合、航空機等への搭乗や米国への入国を拒否されてしまいます。
ESTA申請時には、一人あたり21ドルが必要で、一度ESTAの認証を受けると2年間有効です。入力情報の誤りにより、ESTAが却下された場合、大使館・領事館でビザを申請しなければなりません。米国大使館は「最低でも出発の72時間前には、申請しましょう」と呼び掛けています。
ESTAのモバイルアプリでできること
CBPの公式サイトは2023年6月21日、ESTAのモバイルアプリ対応を発表しました。
アプリは次のようなことができます。
- パスポートの画像のスキャンと認証
- セルフィー動画をアップロードして身元確認
- 個人情報と渡航情報の入力
- 適格性の質問への回答
- 申請書の確認と提出
- 申請内容の変更・更新
- 申請状況の通知受けとり
- 申請内容の保存
一方、従来のESTAの申請公式サイトは引き続き利用できます。
2025年5月から自撮り写真のアップロード義務化
2025年5月29日申請分から、パスポート所持者本人のカラー写真(自撮り写真)のアップロードが義務化されました。写真に求められる要件は以下の通りです。
- パスポートの顔写真のコピーではない
- 無地の背景でカラー写真を使用する
- 顔全体を撮影し肩から頭までが鮮明に写っている
- サングラス・帽子・マスクは禁止
- 加工フィルターや編集は不要
経営者に役立つメルマガを配信 無料会員登録はこちら
この記事を書いた人
-
杉本崇
ツギノジダイ編集長
1980年、大阪府東大阪市生まれ。2004年朝日新聞社に記者として入社。医療や災害、科学技術・AI、環境分野、エネルギーを中心に取材。町工場の工場長を父に持ち、ライフワークとして数々の中小企業も取材を続けてきた。
杉本崇の記事を読む