半島税制・離島税制、2027年3月末まで延長へ 設備投資を割増償却
「半島税制」「離島税制」とも呼ばれる半島や離島振興を目的とした「工業用機械等に係る割増償却制度」が2027年3月31日まで2年間延長される見通しとなりました。政府が、半島税制・離島税制の延長を含む2025年度税制改正大綱を閣議決定しました。国土交通省の説明をもとに、割増償却による法人税などの優遇措置の内容について紹介します。
「半島税制」「離島税制」とも呼ばれる半島や離島振興を目的とした「工業用機械等に係る割増償却制度」が2027年3月31日まで2年間延長される見通しとなりました。政府が、半島税制・離島税制の延長を含む2025年度税制改正大綱を閣議決定しました。国土交通省の説明をもとに、割増償却による法人税などの優遇措置の内容について紹介します。
国交省の公式サイトによると、割増償却とは、普通償却限度額に一定割合を乗じた金額を複数年にわたって割増して償却できる制度です。割増償却することで、適用期間中の法人税の負担額が軽減(繰り延べ)され、より多くの資金を手元に確保することができます。
また、地域によっては法人事業税、固定資産税、不動産取得税の優遇措置を導入している自治体もあります。
この制度は、半島地域・離島地域のうち、産業振興促進計画等の区域で、個人または法人が、機械・装置、建物・附属設備、構築物を取得、建設、改修などして、製造業・旅館業・農林水産物等販売業・情報サービス業等に用いた場合は、5年間の割増償却ができます。
そのため「半島税制」「離島税制」とも呼ばれています。対象となる地域は、国交省の公式サイトで確認してください。
割増償却制度が半島や離島で必要な理由の一つが「条件不利性」だといいます。つまり、半島では、三方を海に囲まれ、平地に恵まれず、交通アクセスが不便で、居住や経済活動に制約があり、2021年の半島の事業所数は2016年と比べて3.3%減りました。
離島も、四方を海等に囲まれ、船や飛行機等による輸送費が多額といった制約から2021年の離島の事業所数は2016年と比べて7.7%減りました。
これらは、全国のほかの地域と比べても厳しい数字です。
国交省は、半島と離島が自立的に発展するためには、設備投資を促進し、地域内における事業活動の継続・拡大を図って雇用を創出し、人口の社会減の抑制・定住の促進することが必要だとして、割増償却制度を設けています。
この制度の具体的な特例措置は以下の通りです。
割増償却制度は、2025年4月1日から2027年3月31日までと、2年間延長される方針が2025年度税制改正大綱に盛り込まれました。
まず、国税の優遇措置の適用を受けるためには、市町村から、租税特別措置法の適用の前提である「産業振興促進計画」に適合している旨の確認を受け、税務署に必要書類を提出する必要があります。
簡単にまとめると、次のようになります。
つぎに、地方税の優遇措置の適用を受けるためには、都道県または市町村に課税免除・不均一課税を申請する必要があります。詳しくはその離島を所管する都道県または市町村に問い合わせてください。
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