目次

  1. 「静かな退職」とは
  2. 人間関係の不和はルールで防ぐ
  3. やりがいを生む二つのポイント
  4. 目標管理制度の落とし穴とは
  5. 「静かな退職」を変えた管理手法
    1. 周りも指導をあきらめていた
    2. 力量から目標を決めて毎日指示
    3. 階段を一段ずつ上らせる
    4. トップクラスの成績で表彰
  6. 社員の成長が生み出す好循環

 「静かな退職」は、米国で話題を呼んだ「Quiet Quitting」の訳語で、昨今は日本でも注目を集めています。実際に退職するわけではないものの、仕事への熱意を失い、いつ退職しても構わないと考えているように見える状態です。響きは「窓際族」と似ていますが、窓際に追いやられたのではなく、自ら頑張り過ぎない働き方を選んだ点が異なります。

 コロナ禍以降、仕事に対する価値観の多様化が進み、プライベートの時間を大事にしたいという理由で、「静かな退職」を選ぶ社員が増えました。転職が当たり前となり、今の会社に長く居続けるつもりはないと決めた社員もその傾向があります。

 経営者にしてみれば「静かな退職」は見過ごせません。社員一人ひとりの成長に伴って、業績が伸びる組織が理想であるはずです。

 では、「静かな退職」を防ぐにはどうすればいいでしょうか。その答えは実にシンプル。働きやすい環境を整え、やりがいを感じながら社員に仕事をしてもらうというだけです。ここからは、中小企業の経営者が講じるべき具体的な対策を解説します。

識学連載サムネイル(静かな退職)

 まず、働きやすさは仕事に集中できる環境が大きく影響します。スポーツをする前にグラウンドやコートの石を拾う作業と同じ。これがなければ、地面の石を避けることに意識が向いてしまい、競技に集中できません。

 では、仕事に集中できる環境とは何でしょうか。

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