建設分野の研究開発に補助金 2025年1月からSBIRで新テーマ公募
国土交通省は、建設分野の技術革新に向けて、SBIR(中小企業技術革新制度)を活用した「建設技術研究開発助成制度」の公募を2025年1月から始めました。公募テーマは「新しい工法や材料を活用し、建設分野における生産性向上やカーボンニュートラルの実現に資する技術開発」です。
国土交通省は、建設分野の技術革新に向けて、SBIR(中小企業技術革新制度)を活用した「建設技術研究開発助成制度」の公募を2025年1月から始めました。公募テーマは「新しい工法や材料を活用し、建設分野における生産性向上やカーボンニュートラルの実現に資する技術開発」です。
目次
内閣府の特設サイトによると、SBIR(Small/Startup Business Innovation Research)とは、スタートアップ等による研究開発を促進し、その成果を円滑に社会実装し、イノベーション創出を促進するための制度です。
同時に、革新的な技術を社会実装していくことで様々な社会課題を解決に導くことも目的としています。
制度のポイントは大きく2つあります。
1つは、国の機関から研究開発型スタートアップへの補助金や委託費の支出機会を増やす仕組みです。もう1つは、公募や執行の統一的なルールを設定し、研究開発成果の社会実装に向けて随意契約制度の活用など事業活動支援等を実施し、初期段階の技術シーズから事業化までを一貫して支援することです。
国土交通省の「建設技術研究開発助成制度」とは、建設技術の高度化、国際競争力の強化、研究開発の一層の推進などに役立つ技術研究開発に関する提案を広く公募する競争的研究費制度です。
優秀な提案には補助金(建設技術研究開発費補助金)を交付します。建設技術研究開発助成制度は、SBIRの「指定補助金等」に位置づけられ、研究開発型スタートアップ等による技術開発も支援しています。
今回の公募テーマは、「新しい工法や材料を活用し、建設分野における生産性向上やカーボンニュートラルの実現に資する技術開発」です。具体的には、以下の様な技術開発が対象となります。
研究成果技術は、所要の機能と安全性が確保されていることが前提となります。採択予定数は、一般タイプ、中小・スタートアップ企業タイプ合計で10~20課題程度です。
SBIR建設技術研究開発助成制度には、一般タイプと政策課題解決型技術開発公募(中小SU企業タイプ)があります。この記事では、中小・スタートアップ企業タイプを中心に紹介します。
中小SU企業タイプは、スタートアップ企業など中小企業の優れた技術開発を支援し実用化を促進する制度であり、段階的競争選抜方式となります。
具体的には、地域課題の解決に役立つ技術開発提案について、事前調査(F/S)と、本格的な技術開発(R&D)に補助金を交付するものであり、F/S終了後にその結果を評価し、R&Dへ移行する技術開発提案を絞り込むものです。
応募資格は以下の通りです。
交付申請者は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第2条第14項の要件を満たす法人。
設立から15年以内の法人、または大学等の研究機関と共同研究を開始してから15年以内の法人は、スタートアップ企業として審査において優先的に採択される場合があります。
研究代表者が交付申請者である中小企業またはスタートアップ企業に属する研究者。
共同研究者は一般タイプの応募資格を満たす者。
応募資格は、中小企業・スタートアップ企業(大学等との共同研究も可)です。
交付額の上限は、500万円(1年目)、2000万円(2~3年目の総額)で、年度上限額は1000万円です。実施機関の上限は3年で、1年目は事前調査、2年目以降は研究開発となっています。
公募期間は1月22日(水)~3月14日(金)17時です。
中小・スタートアップ企業タイプの審査基準は以下の通りです。審査の結果、同等の審査結果が複数生じた場合、以下の項目を総合的に評価して優先して採択することがあります。
設定された技術開発課題を解決・克服するための技術的方法に関し、提案する解決手法の根拠となる理論、データ等が示されており、F/Sに係る実施計画の内容が技術開発課題に対応した妥当なものとなっているかについて審査。
設定された技術開発課題を解決・克服するための技術的方法が、他の解決手法に比べて優位性があるかについて審査。
F/S終了後の技術開発に係る計画を有し、実際に技術開発へ展開できる見込みについて審査。
技術開発終了後3年以内に実用化が達成される可能性について審査。
申請されたF/Sに係る実施計画、実施体制等の研究開発費の費用対効果の妥当性について審査。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。