目次

  1. SBIRとは
  2. SBIR建設技術研究開発助成制度とは 補助金交付も
  3. 公募テーマ
  4. 中小・スタートアップ企業タイプとは
  5. 補助金の交付額
  6. 公募はいつからいつまで?
  7. 中小・スタートアップ企業タイプの審査基準
    1. F/Sに係る実施計画の妥当性(効率性)
    2. 技術の優位性(必要性)
    3. 技術開発への展開可能性(有効性)
    4. 事業化計画の信頼性(効率性)
    5. 費用対効果(効率性)

 内閣府の特設サイトによると、SBIR(Small/Startup Business Innovation Research)とは、スタートアップ等による研究開発を促進し、その成果を円滑に社会実装し、イノベーション創出を促進するための制度です。

 同時に、革新的な技術を社会実装していくことで様々な社会課題を解決に導くことも目的としています。

 制度のポイントは大きく2つあります。

 1つは、国の機関から研究開発型スタートアップへの補助金や委託費の支出機会を増やす仕組みです。もう1つは、公募や執行の統一的なルールを設定し、研究開発成果の社会実装に向けて随意契約制度の活用など事業活動支援等を実施し、初期段階の技術シーズから事業化までを一貫して支援することです。

 国土交通省の「建設技術研究開発助成制度」とは、建設技術の高度化、国際競争力の強化、研究開発の一層の推進などに役立つ技術研究開発に関する提案を広く公募する競争的研究費制度です。

 優秀な提案には補助金(建設技術研究開発費補助金)を交付します。建設技術研究開発助成制度は、SBIRの「指定補助金等」に位置づけられ、研究開発型スタートアップ等による技術開発も支援しています。

 今回の公募テーマは、「新しい工法や材料を活用し、建設分野における生産性向上やカーボンニュートラルの実現に資する技術開発」です。具体的には、以下の様な技術開発が対象となります。

  • 新しい工法や材料を活用し、建設分野における生産性向上やカーボンニュートラルの実現に資する技術開発
  • 新しい工法・装置・仕組みの導入や材料の高機能化などによる工程短縮、省力化、コスト削減等に資する技術開発
  • 作業の自動化や材料の高機能化などによる安全性、品質の向上に資する技術
  • 省CO2に資する材料等の開発や活用に係る技術開発
  • インフラ・建設分野での環境負荷低減や長寿命化に係る技術開発

 研究成果技術は、所要の機能と安全性が確保されていることが前提となります。採択予定数は、一般タイプ、中小・スタートアップ企業タイプ合計で10~20課題程度です。

 SBIR建設技術研究開発助成制度には、一般タイプと政策課題解決型技術開発公募(中小SU企業タイプ)があります。この記事では、中小・スタートアップ企業タイプを中心に紹介します。

 中小SU企業タイプは、スタートアップ企業など中小企業の優れた技術開発を支援し実用化を促進する制度であり、段階的競争選抜方式となります。

 具体的には、地域課題の解決に役立つ技術開発提案について、事前調査(F/S)と、本格的な技術開発(R&D)に補助金を交付するものであり、F/S終了後にその結果を評価し、R&Dへ移行する技術開発提案を絞り込むものです。

 応募資格は以下の通りです。

交付申請者は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律第2条第14項の要件を満たす法人。
設立から15年以内の法人、または大学等の研究機関と共同研究を開始してから15年以内の法人は、スタートアップ企業として審査において優先的に採択される場合があります。
研究代表者が交付申請者である中小企業またはスタートアップ企業に属する研究者。
共同研究者は一般タイプの応募資格を満たす者。

 応募資格は、中小企業・スタートアップ企業(大学等との共同研究も可)です。

 交付額の上限は、500万円(1年目)、2000万円(2~3年目の総額)で、年度上限額は1000万円です。実施機関の上限は3年で、1年目は事前調査、2年目以降は研究開発となっています。

 公募期間は1月22日(水)~3月14日(金)17時です。

 中小・スタートアップ企業タイプの審査基準は以下の通りです。審査の結果、同等の審査結果が複数生じた場合、以下の項目を総合的に評価して優先して採択することがあります。

  • スタートアップ企業
  • 若手研究者(2025年4月1日時点で40歳未満)を含む研究構成
  • 「えるぼし」・「くるみん」認定取得した企業等

 設定された技術開発課題を解決・克服するための技術的方法に関し、提案する解決手法の根拠となる理論、データ等が示されており、F/Sに係る実施計画の内容が技術開発課題に対応した妥当なものとなっているかについて審査。

 設定された技術開発課題を解決・克服するための技術的方法が、他の解決手法に比べて優位性があるかについて審査。

 F/S終了後の技術開発に係る計画を有し、実際に技術開発へ展開できる見込みについて審査。

 技術開発終了後3年以内に実用化が達成される可能性について審査。

 申請されたF/Sに係る実施計画、実施体制等の研究開発費の費用対効果の妥当性について審査。