観光DXとは 地域活性化モデル実証事業、2025年2月から公募開始
![観光分野におけるDX](http://p.potaufeu.asahi.com/06f5-p/picture/29216333/40c9655ca53ad7bebe250306fca96a8a.png)
観光庁は「観光DX推進による地域活性化モデル実証事業」の公募を2025年2月12日から始めました。この事業は、DXの推進を通じて全国的に「稼げる地域・稼げる産業」をつくることを目指して、①地域活性化の好循環モデル、②生成AI活用モデル、③オープンデータ推進モデルの構築に取り組むことを募集するものです。
観光庁は「観光DX推進による地域活性化モデル実証事業」の公募を2025年2月12日から始めました。この事業は、DXの推進を通じて全国的に「稼げる地域・稼げる産業」をつくることを目指して、①地域活性化の好循環モデル、②生成AI活用モデル、③オープンデータ推進モデルの構築に取り組むことを募集するものです。
目次
観光庁の公式サイトによると、観光DXとは、業務のデジタル化により効率化を図るだけではなく、デジタル化によって収集されるデータの分析・利活用により、ビジネス戦略の再検討や、新たなビジネスモデルの創出といった変革を行うものと位置付けられるといいます。
DX対応は、旅行者の利便性向上・周遊促進、観光産業の生産性向上、観光地経営の高度化、観光デジタル人材の育成・活用の観点から、地域の実情に応じて取り組む必要があるといいます。
一方で、観光庁が公表している公募要領によると、観光DXは十分に浸透しておらず、取り組みをしていたとしても、地域ごとに独自の観光アプリやシステムを開発しているなど、地域間や事業者間の連携が不足しており、収益化の最大化が図れていないといいます。
そこで、観光DX推進による地域活性化モデル実証事業は、全国的に「稼げる地域・稼げる産業」をつくることで、観光の恩恵を各地に行き渡らせることを目的としています。
観光DX推進による地域活性化モデル実証事業は、以下の3つのテーマに関する事業を募集しています。
地域活性化の好循環モデル事業は、訪日外国人をはじめとした旅行者、観光産業のデータをDMP(データマネジメントプラットフォーム)で収集・活用し、地域内の旅行消費額の向上に資する観光施策の実施などを通じて地域全体の消費拡大に取り組む事業です。
さらに、地域に集積されたデータを活用し、データのオープン化等を通じて、産業・企業・スタートアップ等の新規参入や外部からの投資等によるイノベーションを起こすことも目的としています。以下のいずれかに取り組む提案を募集しています。
生成AIは、利用者との対話を通じた情報提供や課題に対する示唆の提示に活用することで、観光地・観光産業の業務効率化や経営高度化に貢献できる可能性があります。
生成AI活用モデル事業は次のような取り組みが対象になりますが、これだけに限定されるものではありません。
観光地経営の高度化には、DMP(データマネジメントプラットフォーム)などで収集したデータを可視化し、オープンデータとして公開することが重要です。
オープンデータ推進モデル事業は、地域における旅行者の移動・決済・宿泊・予約・アンケート結果等のデータを可視化し、オープンデータとして公開することで、地域の事業者による仕入・人員配置の最適化、レベニューマネジメントを通じた収益向上等の取組や、地域一体で駐車場の満空情報や交通事業者と連携したタクシー等の待ち人数の可視化による旅行者の利便性向上・周遊促進を通じた消費拡大につながる提案を募集します。
データの収集を促進するため、DMPと接続するシステムの導入・連携も対象となります。すでに公開されている統計データなどのオープンデータ化は対象外です。
実証事業のうち、国費による部分は、①地域活性化の好循環モデルは1事業あたり5000万円、②生成AI活用モデルと③オープンデータ推進モデルは1事業あたり1000万円を上限と想定していますが、有識者からのヒアリングの結果等を踏まえた上で、事業内容・事業費を調整するとしています。
観光DX推進による地域活性化モデル実証事業に応募できるのは、原則として企業等からなるコンソーシアムです。コンソーシアムは、代表となる機関を決定し、事業遂行の責任を負う必要があります。
実証事業者は、事業計画書の作成、実証実験の実施、実証成果報告書の作成などの業務を担います。事業の進捗管理は、基本的に代表企業が実施し、観光庁が指定する事務局が補助を行います。事業期間は、原則として契約締結後から2026年1月31日までです。
実証事業で対象となる経費は、人件費、旅費、謝金、借料及び損料、消耗品費などです。また、再委託費や一般管理費も対象となります。ただし、建物の建設・改修費、事業に当然備えているべき機器・備品、事故・災害の処理費用などは対象外となります。
審査項目が事前に公表されていますので、申請する場合は事前に確認しましょう。
大項目 | 小項目 | 詳細 |
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①事業内容の理解度 | 目指す姿 | 「稼げる地域・稼げる産業」の実現に向けて地域全体の消費拡大、訪日外国人旅行者を含む誘客・再来訪促進、観光産業の収益・生産性向上等に寄与する内容となっていること |
現状・課題 | 観光地・観光産業の現状やこれまでの取組と成果を踏まえたうえで、目指す姿の実現に向けた課題が設定されていること | |
②提案内容の的確性 | KGIとKPI | 本実証事業の目標値となるKGIやその進捗を定量的に把握するための観測指標となるKPIが設定され、その運用方法が具体的に示されていること |
解決策 | 課題解決に取り組むにあたり、デジタル技術等を活用した施策・サービスが観光地・観光産業に与える影響が明確かつ具体的に示されていること | |
スケジュール | ・デジタル技術を活用した施策の実施期間が十分に確保され、期間内に想定されるリスクとその対処も含め、計画が策定されていること ・実証事業終了後において、コンソーシアムにて事業を継続するための、費用・人員等の運営体制が明確に示されていること |
|
③提案内容の独創性 | 実証内容の独創性 | ⼀定の知識や経験に基づき、将来に向けて転換・変容させていくことが望ましい領域が特定され、将来のニーズや課題に実証事業が適用され機能すること(思いつきでなく成果)を通じて、地域に新しい付加価値を生み出す内容となっていること |
実証内容の優位性 | 本実証事業を通じて、地域の消費拡大や観光産業の収益・生産性向上の効果や成果が、当該地域の持つ観光入込客数や過年度の売上を上回る等の優位性が示されていること | |
④事業遂行の確実性 | 事業実施体制 | 目標達成及び計画遂行に必要となる組織、人員等を有し、参画する各企業等の役割が適切に分担され明確化されていること |
地域等との調整状況 | 本実証事業を進める上で、地域での合意形成や関係する事業者の巻き込みが円滑に進むよう、必要となる地域・事業者との連携・調整等が取れていること | |
地域活性化の実績 | デジタル技術やDX推進を含む地域活性化や観光誘客等の事業実績を有していること |
申請書類は、電子メールで提出します。提出書類は、事業概要説明書、企業等概要書、事業計画、必要経費の内訳などです。各様式は、指定された形式で作成する必要があります。応募期限は、地域活性化の好循環モデルが2025年3月31日17時、生成AI活用モデルとオープンデータ推進モデルが2025年3月26日17時です。
詳しくは、観光庁の公式サイトへ。
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