失注はなぜ起こる?代表的な要因と対策方法を導き出す分析のやり方

大型案件を失注してしまった後、次に活かすために原因を分析することは非常に重要です。失注を引き起こす要因はさまざまですが、それを正しく理解して対策を講じることで、今後の営業活動を改善できます。この記事では、失注の代表的な要因を挙げ、それらを分析する手法と今後の対策について紹介します。
大型案件を失注してしまった後、次に活かすために原因を分析することは非常に重要です。失注を引き起こす要因はさまざまですが、それを正しく理解して対策を講じることで、今後の営業活動を改善できます。この記事では、失注の代表的な要因を挙げ、それらを分析する手法と今後の対策について紹介します。
目次
営業活動において「失注」とは、商談を進めた結果、契約を結ぶことができず、取引に至らなかった状態を指します。単に契約に至らなかっただけでなく、その理由が何であるのかを理解し、次の商談に活かすための重要な機会となります。
失注と似た言葉に「逸注」がありますが、この2つの言葉には違いがあります。
失注とは、一般的に、商談後に価格などの条件が合わなかったり、競合に奪われたりして契約に至らなかった状態をいいます。一方で逸注とは、商談に至らなかった、または商談前の段階で候補にも挙がらず取引機会を失った状態をいいます。
失注は契約の交渉が進んだ上での結果を指しますが、逸注は具体的な提案前の段階で終了したケースを指します。
失注は企業にとって大きな打撃となります。特に中小企業にとっては、規模の大きな案件であるほどその影響は顕著です。収益の減少だけでなく、担当者の士気低下、次回以降の商談への不安など、さまざまな負の影響が広がることになります。
しかし、失注をそのままにしておくのは非常にもったいないことです。失注の原因を分析し、それを対策として反映させることで、営業活動の改善につながり企業競争力の強化が図れます。
具体的には、失注を分析することで主に以下のようなメリットが得られます。
したがって、失注後の分析と対策は、次回の商談を成功させるために不可欠なプロセスです。
失注の要因は多岐にわたりますが、以下の6つが代表的なものとして挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
営業活動において、顧客のニーズを正確に把握できていないことが失注の原因となることがあります。顧客が求めているものと、自社が提供する商品・サービスがずれている場合、たとえ提案内容が素晴らしくても契約には結びつきません。
対策方法は下記の通りです。
競合他社が強力で、提案力や営業力が上回っている場合、自社の提案が選ばれないことがあります。価格競争に陥ったり、相手が提供するサービスの質が自社を上回っていたりする場合も失注の一因です。
対策方法は下記の通りです。
商談において、実質的な決定権を持つキーパーソンにアプローチできていない場合、契約を勝ち取ることは難しくなります。決裁権を持つ者が必ずしも意思決定者であるとは限りません。例えば、決裁権は上司にあるものの、部下に裁量権を与えて判断を一任しているケースもあります。
また、フロントライン(窓口担当者)との関係構築も非常に重要です。ここで信頼を得られなければ、キーパーソンにたどり着くことすら難しくなる可能性があります。
したがって、商談を成功に導くには、顧客企業内での意思決定者が誰かを把握し、その人物に適切にアプローチすることが不可欠です。
対策方法は下記の通りです。
商談中に十分なコミュニケーションが取れていない場合、顧客との信頼関係を築くことが難しく、失注に至ることがあります。継続的にコンタクトを取り、顧客の要望をしっかりと聞いて反応を示すことが重要です。
対策方法は下記の通りです。
商談終了後のフォローアップが不十分だと、失注のリスクが高まります。特に商談後の連絡やサポートが疎かになると、他の競合に乗り換えられることもあります。
対策方法は下記の通りです。
価格や契約条件が不明確な場合、顧客は不安を感じ、失注につながることがあります。商談段階でしっかりと条件を明確にし、納得してもらうことが重要です。
対策方法は下記の通りです。
失注した要因を明確にすることで、次回以降の商談をより効果的に行うことができます。ここでは、失注要因を分析する方法について説明します。
失注した案件の背景を分析するためには、まず自社の営業活動を振り返り、どの段階で問題が発生したのかを明確にすることが重要です。営業活動を可視化すると、特定の営業手法や戦略がどの程度効果的だったのかが見えてきます。
筆者が知る広告代理店では、担当者ごとに成約数にばらつきがありました。しかし、営業活動を詳しく分析したところ、多くの失注要因が交渉段階のクロージングのアプローチにあることがわかりました。特に、顧客の疑問や不安を十分に解消できていなかったことが大きな課題でした。
このように、どの段階でどのような要因があるのかを突き止めることで、営業活動の改善を図れます。
失注した案件が競合他社に流れた場合、その競合の営業戦略や提案内容が非常に参考になります。競合の強みを理解し、自社とどこに差があるのかを分析しましょう。
そのためには、具体的な調査を行うことが重要です。競合のホームページなどから価格やサービス内容を調べ、自社との違いを明確にしましょう。さらに、顧客へのヒアリングを実施し、「なぜ競合を選んだのか?」を直接確認することも有効です。
筆者の経験では、担当者との関係性が築けている場合、意外と率直な回答を得られることがあります。加えて、Web上から口コミや評判を分析することで、競合の強みや顧客から評価されているポイントを把握し、自社の営業戦略の改善に活かすことができます。
失注する原因が、市場や業界の動向などの外部要因であることもあります。業界の景気変動や新たな規制、技術革新などが営業活動に影響を与えることがあるため、外部要因の変化にも目を向けることが大切です。
例えば、近年では原材料価格の高騰が企業にとって大きなコスト負担となっています。特に、価格転嫁が難しい下請け企業にとっては、その影響がより深刻です。筆者の知る食品製造会社でも、取引先との交渉で価格の据え置きを求められることが多く、利益の圧迫に直面しています。このような外部要因は業界内の競争環境にも影響を及ぼし、従来のやり方では対応が難しくなっています。そのため、既存商品の見直しや価格戦略の再検討を迫られるケースが増えているのです。
このような状況では、市場全体の動向を把握し、適切な対応策を講じることが重要です。具体的には、経済産業省の商業動態統計などの公的データや、矢野経済研究所の市場レポートを活用し、市場シェアや成長性、業界の課題を分析する方法があります。また、家計調査を利用することで、最終消費者の購買行動を把握できます。これらの情報を基に戦略を見直し、外部要因の影響を最小限に抑えることが求められます。
最も直接的かつ有効な方法は、失注した顧客にその理由を尋ねることです。顧客の声を反映させることで、今後の営業活動を改善する手がかりが得られます。もちろん、顧客に理由を尋ねる際は、相手の立場を尊重し、感謝の気持ちを持って聞く姿勢が大切です。
先にも述べたとおり、担当者との関係性がある程度築けている場合には、直接ヒアリングを行うことが非常に有効です。特に、現場のリアルなニーズを把握することで、より良い商品やサービスの提供につながり、ひいては顧客の利益を最大化することにも貢献します。
失注は営業活動において避けられない部分もありますが、その後の原因分析と対策をしっかりと行うことで、次回以降の営業活動に大きな改善をもたらすことができます。顧客ニーズの誤解や競合他社の強み、営業プロセスの不備など、さまざまな要因を正確に分析し、それに基づいた改善策を講じることが重要です。
また、失注から得た教訓を組織全体で共有し、PDCAサイクルを回して営業活動を継続的に改善することが、長期的な成功を導く鍵となります。失注を学びの機会と捉え、次の営業成果を上げるために活かしていきましょう。
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