目次

  1. 中堅・中小企業輸出支援エコシステム形成事業費補助金とは
  2. 募集内容
    1. コア事業者
    2. パートナー事業者
    3. 案件実施対象国
    4. 採択予定件数
    5. 補助対象事業
    6. 事業実施期間
    7. 補助額と補助率
  3. 応募期間と応募方法
  4. 審査・採択基準

 国内市場の縮小に伴い、海外展開への意欲を持つ中堅・中小企業が増えています。しかし、販路の確保、通関手続きをはじめとする様々な課題が大きな障壁となっています。

 こうした状況に対し、中堅・中小企業の輸出を支援するサービスを提供する事業者も増えていますが、これらのサービスの利活用はまだ十分に進んでいません。

 中堅・中小企業輸出支援エコシステム形成事業費補助金は、中堅・中小企業のニーズに応えられるビジネス環境を形成するため、民間の輸出支援事業者間の連携を軸とした、中堅・中小企業の輸出拡大につながる効果的な取組に対する支援をする補助金です。

 ただし、個社の海外展開のための案件は対象外となります。詳しい条件はJETROの公式サイトに公表されている募集要項で確認してください。公募説明会は実施しません。

 補助金の申請では、以下の募集条件等を満たす事業者が実施する事業である必要があります。パートナー事業者のうち、中核となるコア事業者から申請してください。

 コア事業者となれるのは、以下のいずれかの事業者です。

  • 中小企業
  • 中堅企業
  • 特定非営利活動法人又は一般社団法人
  • 商工会議所、商工会又は都道府県商工会連合会

 パートナー事業者は、以下の全ての要件を満たす必要があります。

  • コア事業者を含め、2者以上のコア事業者として定義する事業者が参加すること(パートナーには大企業や大学、組合等を加えることも可能。ただし、過半数がコア事業者として定義する事業者であること)
  • 役割分担、責任体制等が明確化していること(親事業者と下請事業者の取引関係や、通常の商取引における売買や役務契約等の一時的な取引関係にある事業者同士については、連携体とはみなさない)
  • コンソーシアムを組んでいること

 ただし、同一グループ内企業のみで構成する連携体は不可とします。

 案件実施の対象国は全世界です。ただし、「外務省 海外安全ホームページ」の海外危険情報レベル、または海外感染症危険情報レベルが3以上の国については、渡航を伴う事業は原則実施不可となります。

 現状レベル3以上の国であっても、今後の情勢変化を想定して、渡航を伴う事業計画を提案に含めることは可能ですが、実際の事業実施にあたっては、ジェトロとの協議の上、実施を決定することになります。

 採択予定件数は4件程度です。

 民間の輸出支援事業者間の連携を軸とした中堅・中小企業の輸出拡大につながる効果的な取組が募集対象です。以下はあくまで例示です。

• 地域の有望商材を取り扱う事業者(地域商社等)が競争力のある他分野(アニメキャラクター等)との連携を通じ、商品の付加価値や訴求力を向上させることで、輸出拡大につなげる取組
• インバウンド対応を含む、訪日外国人客が滞在時や帰国後も日本産品を購入するような仕組みを作ることで、日本好きの外国人への日本産品販売や輸出拡大につなげる取組
• 海外現地倉庫や物流網の共有化等を通じ、物流の効率化や低コスト化を実現し、商品の低価格化を可能にすることで、商品訴求力を向上させる取組
• 貿易手続の煩雑さを解消するサービスを手掛ける事業者等(スタートアップ、サービスプロバイダ等)が地域商社や物流会社等との効果的な連携を通じ、中堅・中小企業による輸出をワンストップで実現する体制を構築し、輸出拡大につなげる取組
• 輸出先国・地域において販路を有し現地ニーズや規制にも詳しい事業者(地域商社等)が核となり、現地系の店舗等、未開拓の販路開拓を行い、輸出の商流を構築することで、輸出拡大につなげる取組
• AI等先進的なデジタル技術を活用する事業者(スタートアップ、サービスプロバイダ等)が海外現地プラットフォーマー等との連携を通じ、現地プラットフォームにおける日本商品の訴求力を向上させ、輸出拡大につなげる取組

 事業実施期間は、交付決定日から2026年1月31日までです。

 補助額は、1件あたり最大2000万円を目安とします。補助率は対象経費の1/2です。補助対象経費は、人件費のほか、事業費(旅費、会議費、謝金、備品費、借料および損料、消耗品費、印刷製本費、補助員人件費、その他諸経費、委託・外注費)で、この事業のために使用されることが特定できるものです。

 ただし、交付申請書の補助金申請額算定段階において、消費税等は補助対象経費から除外して補助金額を算定し、交付申請書を提出する必要があります。

 また、補助金の支払いは、事業終了後の精算払いとなる点に注意しましょう。

 応募受付開始は、2025年4月21日(月)で、受付締切は5月30日(金)15時です。

 原則として、補助金申請システム「jGrants(Jグランツ)」で応募を受け付けます。jGrantsを利用するには「gBizID(GビズID)」の取得が必要です。gBizIDが取得できない場合は、ジェトロデジタルマーケティング部デジタルマーケティング課に必要書類を電子メールで提出してください。郵送や持参による提出は受け付けられません。

 応募書類は、以下の審査基準に基づいて総合的に評価されます。

• 中堅・中小企業の裨益性: どれだけ中堅・中小企業の輸出拡大に貢献するか
• 実現可能性: これまでの実績やパートナー事業者との提携等による実現性の高さ
• 補助事業実施期間中に目指す成果: 具体性と内容
• 将来性(持続・拡大の可能性): 自社及びパートナー事業者の強みを活かした優位性、将来的な展望
• アカウンタビリティ: 事業終了後5年間の報告体制、補助事業の精算業務を円滑に実施できる体制
• 事業の妥当性: 既存のビジネス計画への組み込み、コストパフォーマンス
さらに、以下の項目に該当する場合は加点措置があります。
• 今年度の重点事業への取組: インバウンド対応、物流効率化・低コスト化、輸出ワンストップ体制の構築
• 賃上げ表明: 一定の賃上げ計画を表明し、実施した場合
• ワーク・ライフ・バランスへの取組: 女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法、若者雇用促進法に基づく認定の取得状況