目次

  1. 中高年層安定雇用支援コースとは
  2. 助成金の主な支給要件 対象となる労働者
  3. 助成額と支給期間
  4. 申請手続きと窓口

 いわゆる「就職氷河期世代」と呼ばれる人を含む、35歳から60歳未満の中高年層は、過去の就職環境の厳しさなどから十分なキャリア形成がなさなかった人がいます。

 特定求職者雇用開発助成金に新設された「中高年層安定雇用支援コース」は、こうした中高年層がハローワークなどの紹介を通じて正規雇用労働者として企業に雇い入れられた場合に、その事業主に対して助成金を支給することで、こうした中高年層の安定した職業生活への移行を後押しすることを目的としています。

 中高年層安定雇用支援コースの支給対象となるのは、雇い入れる労働者が以下のすべての要件を満たす場合です。

• 年齢要件: 雇入れの日に35歳から60歳未満であること。
• 過去の正規雇用経験: 雇入れの日の前日から起算して過去5年間に、正規雇用労働者として雇用された期間が通算して1年以下であること。ただし、自営業者など、正規雇用労働者と同等以上の職業能力が必要とされる職業に従事していたと見なされる場合は、助成対象外となる場合があります。
• 直近の正規雇用: 雇入れの日の前日から起算して過去1年間に、正規雇用労働者等として雇用されたことがないこと。ただし、事業主の都合による解雇などで離職した場合は、この要件を満たさなくても助成対象となる場合があります。
• 就労支援の受給: ハローワークなどの紹介の時点で「安定した職業」に就いておらず、かつ、ハローワークなどにおいて個別支援等の就労に向けた支援を受けていること。(「安定した職業」とは、期間の定めのない労働契約で、1週間の所定労働時間が同一事業所の通常の労働者と同じであるもの、および正規雇用労働者と同等以上の職業能力が必要と考えられる自営業者などを指します)
• 正規雇用への希望: 正規雇用労働者として雇用されることを希望していること。

 「正規雇用労働者」の定義は以下のすべてに該当する人が対象です。

• 期間の定めのない労働契約を締結していること。
• 所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の所定労働時間(週30時間以上)と同じであること。
• 同一の事業主に雇用される通常の労働者に適用される就業規則等に規定する賃金の算定方法および支給形態、賞与、退職金、休日、定期的な昇給や昇格の労働条件について長期雇用を前提とした待遇が適用されていること。

 ハローワークや民間の職業紹介事業者といった、厚生労働省が定める基準を満たした紹介機関を通じての雇用であることが前提となります。

 中高年層安定雇用支援コースは、対象期間を6ヵ月ごとに区切り、合計1年間で支給されます。支給額は企業規模によって異なり、1人あたりの総額は以下の通りです。

• 大企業: 第1期25万円、第2期25万円の合計50万円
• 中小企業: 第1期30万円、第2期30万円の合計60万円

 支給対象期ごとの支給額は、その期間に対象労働者に対して支払われた賃金額が上限となります。

 中高年層安定雇用支援コースの申請は、労働局、ハローワーク、または各地の支給申請窓口で受け付けています。支給申請書や記入マニュアルは厚労省の公式サイトで公開されています。電子申請も利用できます。