事業者の悩みは「自信作の農機が売れない」

 長崎県は、北海道に次いで全国2番目のジャガイモ生産地です。田中工機は、創業以来、農産物収穫を効率化する機械の開発してきました。田中秀和副社長(相談当時、現在は社長)がオービズへ「ジャガイモや玉ねぎを楽に収穫できる機械を開発し、この1年間長崎県内で営業してきたが、まだ1台も売れない。自信作であるがなぜ売れないのか?」と相談に訪れました。長崎のジャガイモ農家では、土から掘り上げたジャガイモを手で拾い上げ収穫しているのがまだ一般的です。今回開発した機械は、ベルトコンベアで作物が傷つかないように丁寧に畑から拾い上げ、自走式収獲機に座ったまま選別できるという優れた性能を有し、農作業効率を上げることができる機械でした。(名称:iPK―1号:メーカ希望小売価格約400万円)

iPK―1号
iPK―1号

 私は、「え!全然売れてないのですか?」と聞くと、「過去に熊本で2台売れた」とのことでした。ここでまず閃いたのが、①農作業の効率が上がるという強みをうまく伝えきれていないのではないかということ、又、②ターゲットは長崎ではなく、機械を導入したほうがよい、広い耕作面積を有する他県(全国)ではないかと思いました。

 そこで、長崎近郊ではなく、機械導入により、農作業効率を上げる必要がある全国にターゲットを拡げてPRすることを提案しました。

プロモーション戦略は作業効率向上×女性

 全国的に知名度が低いため、座ったまま楽に収穫・選別作業ができる性能の強みをうまくPRすること、そして会社のブランディングにもなるような新しいイメージプロモーション戦略を検討しました。また、高齢化が進む農業において、「女性・若者の就農促進」という時代のトレンドも取り入れたいと考えました。

 「座って作業できるので農作業が楽になる」×「女性」でイメージを膨らせていく中で、「せわしくなく、穏やかな和服を着た女性がお茶を点てながらでもできそうな農作業」というイメージコンセプトが湧いてきました。その結果、これまでの農業界のイメージに捉われない「和服を着た女性が機械に乗っている」というイメージプロモーションで行くことに決定しました。また、同時にブランディング戦略の一環として、名称をiPK1号から、「農作業効率があがる」×「女性(ガール)」をかけた「AGIRL(アガール)」へ変更し、更に長崎から全国展開を目指す田中工機のチャレンジスピリッツを表現するために以下のコンセプトを提案しました。

「AGIRL:アガールの挑戦」

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