コロナと水害のダブルパンチ

 国宝、温泉、球磨焼酎、お茶など歴史も文化も豊かな人吉市は、「九州の小京都」とも言われ、司馬遼太郎の小説では「日本一豊かな隠れ里」として紹介されています。そこには、人吉という名前にふさわしく、とても愛情豊かでお人好しの人たちが暮らしています。

 そこに突然襲って来たのが、新型コロナウイルス。観光の町でもある人吉は、コロナの影響で宿泊客が9割減などと、大きな打撃をうけました。ようやく落ち着いて、これからという時に追い打ちをかけたのが球磨川氾濫による水害です。

 7月4日未明の水害で、多くの死者や床上浸水など甚大な被害を受けました。1ヶ月以上たった8月半ばでも、まだ災害ゴミの片付けが終わらないほどです。

7月5日の人吉市内
7月10日ごろの人吉市内。道路脇を埋め尽くす災害ごみ。

「少し先の不便(ニーズ)」の把握

 人吉市の中小企業や個人事業主の経営相談所として2018年にスタートしたヒットビズも、床上50センチの浸水被害を受け、業務がストップしました。オフィスの泥かきなどをしたものの、8月中旬時点でも再開のめどはいまだにたっていません。

 7月4日の水害発生前までは、Withコロナ時代にも対応できるいくつかの取り組み(アンバサダープロジェクト、コラボマスク企画など)を進めていましたが、もはやビジネス相談どころではなくなりました。被害を受けた現場や相談者の状況を見て回りながら、必要な「もの」や「こと」は何かをさぐりました。SNSなどを通じて被害の状況が徐々に見えて来ます。市役所と商工会議所による被害状況調査も行いながら現場の声もききました。

 強く感じたのが、すぐにゴミ処理用の軽トラックやトラックが必要になるということでした。なにしろ市内で3000台以上の車が流されたり、水没して使えなくなったりしていたのです。車がないことには、生活再建もゴミ処理もできません。被災地の切実な課題に直面し、速やかな解決を迫られました。

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