将来の夢は社長ではなくサッカー選手

――マキタを継ぐことを意識しはじめたのはいつ頃ですか。

 大学に入るまで、マキタを継ぐどころか入社して働こうという考えすらほとんどありませんでした。先代社長である父親とそういう話をしたような記憶も一切ありません。

 高校時代は、サッカーのレベルの高い関東の強豪校に進学しました。父親は昔から子どもに対して何かを強制したり反対したりすることのない人でした。私がサッカーの道を極めたいと言っても「とりあえずやってみろ」と。

 サッカーに一度区切りを付けて大学に進学しましたが、そこで出会った友人たちが経営者の息子だったというのもあって、少しずつマキタで働くことを意識するようになったと思います。一方で、父親からは相変わらず、「会社を継ぐように」とも何とも言われませんでした。

高校時代はサッカーに夢中だった槙田裕さん

 大学卒業後は、いずれ経営の役に立つだろうとビジネススクール(大学院)に通い、その後は総合商社に就職。3年間勉強しました。マキタに入社したのはその直後の2013年、28歳の頃でした。

部長職を断ると「いつになったら社長になるんだ」

――入社と同時に営業部長に就任されたと聞きました。

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