「新規の問い合わせに対応しきれない」

 「既存の取引先からの注文は減っているんですが、新規の問い合わせ件数が過去最高で、対応しきれない状況なんですよ」

 岐阜県関市の経営支援拠点「関市ビジネスサポートセンター(Seki-Biz、セキビズ)を訪れたエドランド工業の取締役、5代目久保有希さんはこのように切り出しました。なぜ、問い合わせが活況なのか。この状況をひもとくために、これまでの支援を振り返ります。

エドランド工業5代目の久保有希さん

大手からの受注は少しずつ減少

 刃物の町・関市に1919年に誕生したエドランド工業は、主にミシンにつける糸を切る刃物や野菜を千切りにするフードカッターの刃など、2万2千種類以上の工業用刃物を大手機械メーカー向けに製造しています。メーカーの細かな要望に対応するため、材料の選定から形状加工、研磨などすべて自社で一貫生産しています。

刃物の製造現場

 久保さんは「何十年もの間、大手機械メーカーさんと良いお付き合いをさせていただいていますが、長い目で見ると少しずつ減少傾向にあります。そうした状況を打開するために、 小ロットから受注するオーダーメイド刃物に可能性を感じて、そこをきっかけに営業していこうと動き出していました」と振り返ります。

言われた通りではなく提案するサービス

 久保さんは2016年、市役所の職員の紹介でセキビズを初めて訪れました。

 「セキビズで現状を話すと『つまり、お客さまの開発パートナーになりたいってことですよね』って言われたんです。自分が考えてたことを、一言でスパンと表現してもらったというか、それです、それそれ!という感じでしたね。自分のやりたいことをうまく方向付けしてもらえました」

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。