ECサイトに必要なWEBマーケティングと広告戦略 Googleが解説
新型コロナウイルス感染症の感染拡大をきっかけにインターネット上で売買する「ECビジネス」が拡大するなか、Googleなどは2020年11月、中小企業のオンラインショップの立ち上げを支援するプログラムを始めました。そのなかで、これからECビジネスに乗り出す企業に向けて、WEBマーケティングと広告戦略を解説しています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大をきっかけにインターネット上で売買する「ECビジネス」が拡大するなか、Googleなどは2020年11月、中小企業のオンラインショップの立ち上げを支援するプログラムを始めました。そのなかで、これからECビジネスに乗り出す企業に向けて、WEBマーケティングと広告戦略を解説しています。
目次
ECサイトは日本中、世界中から人々がサイトを訪れる可能性がある一方、全国や世界中のサイトが競合となります。ECサイトを始めるまえに、まず特徴を知ることが大切です。Googleが作成した「デジタル マーケティング戦略ブックECビジネス編」によると、実店舗と比べて、ECサイトの長所は次の通りです。
一方で短所は次の通りです。
ECサイトで売り上げを伸ばすためには、まず自社の強み・弱み、市場環境を把握する必要があります。分析することで、競合他社にはない「強み」が見えてきます。この強みをアピールすることで、顧客に対し価値を示すことができます。
ECサイトを運営するうえで、月間、年間売り上げももちろん大切ですが、結果の数字のみを見ていても改善にはつながりません。大切なことは「何人がサイトに訪れ、そのうち何人が購入し、その客単価はいくらか」と要因ごとに分解して分析し、売り上げが伸びなければ原因を特定し、改善を続けることです。
たとえば、そもそもサイトの来訪者数が少なければ、検索ページで上位に来るよう改修したり、広告を出したりすることが考えられます。購入ページでカートに入れても購入しない人が多い場合は、購入手続きを見直す必要が考えられます。
顧客の行動を想像すると、自社サイトに訪れる前に、多くは検索サイトを使って「気になる商品を探す」ことから始まります。そのなかで、自社サイトに訪れても、その後に他社のサイトも訪れ、価格やサイトの使いやすさを比べます。ガイドブックでは次のように説明しています。
消費者はさまざまな ウェブサイトを閲覧し、製品や価格の比較検討を行なっており、欲しい商品を好きなお店で購入することができます。このような状況下では、まず何よりも消費者に自社サイトを見つけてもらい購買検討の土俵に上がる必要があります
だれに向けて商品やサービスを届けるかを明確にするのは大切です。最重要モデルとなる、このユーザー像を「ペルソナ」と呼びます。このときに年齢や性別だけでなく、家族構成、仕事、趣味など詳しく決めます。
ガイドブックでは「より顧客視点に立つことができ、また自社にとって最も親和性が高い顧客層を見失うリスクを下げることができます」と紹介しています。
ECサイトで大切なことは、認知拡大です。ここでいう「認知」とは単に名前を覚えてもらうことではありません。知っているだけではサイトを訪れる理由にならないからです。
ガイドブックでは、認知について「自社サービスが、どのような得意分野があり、それは顧客にとってどのように有益なのかを認識してもらうこと」と説明しています。認知拡大のメリットは次の通りになります。
ターゲットとなる顧客にECサイトを認知してもらうには、まず自社の特徴やベネフィットを整理することが必要です。自社の強みは何か、その強みはペルソナが必要としているのか……。たとえば、顧客が中高年の富裕層の場合、会社の歴史や都心のデパートで取り扱われていることなどが「顧客にとって価値のある情報」になるかもしれません。
整理ができれば、次に情報を発信する媒体を選びましょう。オンライン広告とSNSを例にそれぞれの特徴をガイドブックがまとめています。
ユーザーの特徴(地域、検索する語句、訪問サイト)で配信対象をしぼって表示できます。さらに、ベネフィットをテキストや画像で発信できます。
自社のベネフィットを投稿という形で発信できます。また、ユーザーとのつながりを持ち、コミュニケーションが取れます。さらに、情報が拡散される可能性もあります。
ECサイトで購入してもらうには、消費者の購入意欲の高まりに合わせたコミュニケーションが必要です。消費者が初めて EC サイトを訪れた際に購入することは少なく、情報を集めながら、何度か訪問した上で購入することが多いからです。消費者が潜在的欲求を持ったときからアプローチを始め、比較・検討、購入までのそれぞれコミュニケーションを図る必要があります。
購入の時期やタイミングはどうとらえれば良いでしょうか。「クリスマス」「お正月」などの季節商戦はわかりやすい例です。商戦期には関連する商品の売り上げが増えますが、 EC ビジネスの場合、この商戦期のはじまりが実店舗より早い傾向にあります。商戦期の始まりをいち早く察知し、早い段階から自社サイトをアピールすることで、お買い得商品を宣伝するなど、購入への可能性をあげることができます。
消費者の購入意欲がどの程度高まっているかは、検索されるキーワードによってある程度予想することが可能です。たとえば、検索の回数を重ねるにつれ、検索するキーワードが具体的になっていきます。
たとえば、検索する言葉が「クリスマス 女性 プレゼント」から「女性 靴 おすすめ」、「ミュウミュウ セール」へと変化したとします。具体的なブランド名で検索をしているユーザーは購入への意欲が高まっていると考えられます。この購入意欲の高まりを認識し、消費者に自社をアピールすることで購入を促すことがきます。
インターネットで検索している人のうち、どの段階の購入意欲の人にECサイトに来てほしいかで、広告を出す先も違います。ガイドブックに掲載されている3つのパターンを紹介します。
「商品カテゴリ名」や「○○通販」など、特定の語句を検索したタイミングで検索結果ページに広告を表示します。
登録した商品情報と関連性が高い語句で検索が発生したタイミングで検索結果ページに画像広告を表示します。ユーザーの検索語句によって商品画像を出し分けることもできます。
検索結果ページではなく、広告の掲載枠があるWEBサイトや動画、アプリの内容に応じて表示される広告です。
ECサイトの安定的な運営に欠かせないのはリピート客(ファン)です。定期的な購入や口コミによる拡散など様々な効果が期待できます。ファンになってもらうには「信頼」や「共感」が必要です。一方的なセールスメールではなく、顧客への理解、発信する情報の理解、手段をきちんと設計する必要があります。
まずは「なぜ商品を購入したのか」「何を喜びに感じているか」「何に悩んでいるのか」「どのくらいの金額を支払うことができるか」などを想定してみましょう。次に顧客の気持ちに応えるコンテンツを用意し、ECサイトだけでなく、SNSなど様々な手段を通じて情報を伝えたい顧客にアプローチしてください。
Googleは11月、中小企業のオンラインショップ開設からその後の長期的な成長支援を目的とする「はじめてのオンラインショップ 支援プログラム」を始めました。こちらに動画などで解説されています。
このプログラムには、7つのオンラインショップ制作会社が参加しており、一部無料のサービスや有料サービスの割引が受けられます。
たとえば、ネットショップ作成サービス「BASE(ベイス)」は、無料で利用できる17種類のオフィシャルテーマのデザインを提供するほか、クリエイターが作成した有料のデザイナーズテーマを提供します。Googleのプログラムを通じてネットショップを開設した事業者に対し、有料のデザイナーズテーマを30%割引で利用できるようになります。
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