エクセルで勤怠管理を効率化できる方法2つと注意点 無料ツールも紹介
エクセル(Excel)でできる勤怠管理のポイントや注意点、無料の勤怠管理システムについて紹介します。エクセルは繰り返しが得意な表計算ソフトです。紙と人力による勤怠管理についてエクセルを使うことで作業の効率化とミス発生の削減が期待できます。しかし、記録方法など注意すべき点もあります。
エクセル(Excel)でできる勤怠管理のポイントや注意点、無料の勤怠管理システムについて紹介します。エクセルは繰り返しが得意な表計算ソフトです。紙と人力による勤怠管理についてエクセルを使うことで作業の効率化とミス発生の削減が期待できます。しかし、記録方法など注意すべき点もあります。
目次
多くのビジネスパーソンにとってエクセルは親しみのあるソフトウェアだと言えます。書店でも、エクセルの基本的な使い方から、エクセルのショートカットキーやマクロ、VBA(Visual Basic Applications)の参考書まで、多くの関連書籍が簡単に見つけられます。
エクセルは表計算ソフトです。データ入力など同じ作業の繰り返しが得意です。日々出退勤のデータが溜まっていく勤怠管理情報の集計は、エクセルの得意分野とも言えます。
エクセルを活用することで勤怠管理作業の効率化を図ることができます。
メリットとしては、次のことが挙げられます。
デメリットとしては、次のことが挙げられます。
エクセルを使う前に、エクセルで行う勤怠管理の作業内容を明確にしておきましょう。勤怠管理の機能は大きく次の3つに分類されます。
このうち、「集計」についてエクセルが作業効率化に有効です。「出力」も可能ですが、出力する形式、CSVか紙で印刷するのか、どういった情報を出すのか、会社によって様々だと思いますので、深くは説明しません。
注意が必要なことは、エクセルで行う「記録」についてです。
会社は労働者である従業員の労働時間を適正に把握する義務があります。この「労働時間を適正に把握する」ことは勤怠管理における「記録」だと考えてください。
適正だとする記録の基準は次のようになっています。
内容としては使用者(事業主・経営者)が目視で従業員を確認するか、そうでなければ客観的な記録をとることが求められています。
自己申告による労働時間の把握はあいまいな労働時間管理となりがちであり、上記の基準を満たしているとは言えません。
もし労働時間管理を怠った場合、把握を義務付けている労働安全衛生法違反となり、行政指導を受けたり、悪質な場合社名が厚生労働省のサイト上で公表されたりする可能性があります。
また、日々の勤怠を記録した出勤簿を適切に管理・保存していないと、労働基準法違反となり30万円以下の罰金という罰則に処せられる場合があります。
エクセルにより勤怠管理をする場合は自分で記録して提出する自己申告の仕組みにだけにならないように、使用者が日々勤怠状況を確認できる仕組みを工夫することが必要です。
具体的には、エクセルでの自己申告と併用してタイムカードや入室記録を照らし合わせて確認する、エクセルの勤務表を終業後、上司や人事担当者に送信して送信時間を含めて確認する、などがあげられます。
くわしくは、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインを参考にしてください。
記録をエクセルで行わないとして、何ができるのかというと「集計」で利用することをおすすめします。タイムカードやICカード、パソコンの使用時間等から入手した客観的な記録を、エクセルに転記し集計することについて何ら問題はありません。
次に勤怠管理をエクセルで行う2つの方法を紹介します。
勤怠管理エクセルのテンプレートは多くのサイトで提供されています。
たとえば、「Microsoft Office テンプレート」があります。合計勤務時間・定時内の勤務時間・残業時間が自動的に計算されるタイムカードやタイムシートや、給与明細が作成される給与計算エクセルまでもが提供されています。登録等不要でダウンロードができます。
ほかには、「EXCEL勤怠テンプレート」は、勤怠や給与計算に特化したテンプレートが置いてあるサイトです。すべて日本語で各テンプレートの利用方法も丁寧に説明されています。こちらも登録等不要でダウンロードができます。
テンプレートは、信頼できるサイトからダウンロードしたことを確認し、利用を開始しましょう。場合によっては「マクロの有効化」を求められるものもありますが、正しく利用するためにはマクロを有効化が必要です。
最も自由な方法は勤怠管理エクセルを自作することです。ただ、設計や作成などにある程度時間がかかるでしょう。
自作する場合は、エクセルで「集計」「出力」についてどこまで行うかを決定し、その機能部分のテンプレートを一度ダウンロードしてみて、テンプレートで利用されている機能(エクセル関数やマクロの記述)を確認すると良いと思います。
エクセルで勤怠管理は難しいかもしれないという方は、無料の勤怠管理システムを利用するのも良いでしょう。
次に紹介するのは従業員数や機能に一部制限がありますが、基本的に利用が無料の勤怠管理システム2つです。
IEYASUが提供する勤怠管理システムのIEYASU(イエヤス)は期間・人数に制限なく無料プランである打刻機能、勤怠管理、CSV入出力などが利用できます。
打刻方法はPC、スマホはもちろん、交通系ICカードやSlack、LINEも選択でき、在宅勤務にも難無く対応できます。
LINE打刻は画面も大変わかりやすく、LINEを日常的に利用している従業員であれば直感的に利用することも可能でしょう。
2020年12月現在、有料プランとの大きな違いは次の項目です。
有料プランは従業員39人まで月額3800円(税抜)です。
フリーウェイジャパンが提供する勤怠管理システムです。10人まで勤怠打刻・集計といった機能が永年無料で利用できます。勤怠集計のCSVは同社の給与計算システムであるフリーウェイ給与計算用にも出力可能です。
フリーウェイ給与計算は5人まで無料の給与計算システムですので、5人以内の会社であればフリーウェイ勤怠管理とフリーウェイ給与計算を無料で利用できます。
2020年12月現在、有料プランとの大きな違いは次の項目です。
有料プランは従業員数に関わらず月額1980円(税抜)です。
勤怠管理システムで行う労働時間の記録は、システムにログインが必要であったり、GPSやIPアドレスといった付加情報を利用したりと客観性が保たれるよう工夫されています。
有料の勤怠管理システムでも、1カ月間のみトライアル可能なものもありますので、エクセルを自作する前にお試しで利用してみるのも良いでしょう。
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