2020年の経営者の平均年齢が60歳超え 1990年の調査開始以降で初
国内の企業約94万社の2020年の経営者の平均年齢を調べたところ、調査を開始した1990年以降で過去最高を更新し、初めて60歳を超えたことが帝国データバンクの分析で明らかになりました。「年齢に関係なく第一線で活躍し続ける社長が多いことを示している反面、事業承継の観点では課題の一つになり得る」と指摘しています。
国内の企業約94万社の2020年の経営者の平均年齢を調べたところ、調査を開始した1990年以降で過去最高を更新し、初めて60歳を超えたことが帝国データバンクの分析で明らかになりました。「年齢に関係なく第一線で活躍し続ける社長が多いことを示している反面、事業承継の観点では課題の一つになり得る」と指摘しています。
日本はいま、中小企業の後継者不足が深刻です。中小企業庁の安藤久佳長官(当時)は2018年の年頭所感で「今後10年の間に、平均引退年齢である70歳を超える経営者は約245万人となり、このうち約半数の127万人が後継者未定です」と訴えました。
127万人の経営者とは日本企業全体の1/3に相当する規模です 。後継者が不在のまま、経営者の高齢化が進むと、健康面など事業継続に向けて様々なリスクを抱えることになります。
後継者不足に対する国の政策の裏付けの一つが、帝国データバンクの「全国社長年齢分布」の調査データです。帝国データバンクは今回、企業概要データベースから個人、非営利、公益法人などを除いた企業の社長データを抽出し、得られた約94万社分を、業種別、業歴別、都道府県別に集計・分析しました。
その結果、2020 年の経営者の平均年齢は 前年を0.2歳上回り、60.1歳と、調査を開始した 1990 年以降初めて60 歳を超えました。年代別では、「60 代」が27.3%を占め、最多となりました。「50代」が26.9%、「70 代」が20.3%で続いています。
業種別にみた経営者の平均年齢は次の通りです。
都道府県別では、秋田県の平均年齢が最も高く62.2 歳。「岩手県」が 62.0
歳、「青森県」が 61.8 歳と続きました。一覧は次の通りです。
中小企業庁は、中小企業の事業承継支援の政策を進めていますが、2020 年時点の社長交代率は 3.80%と、ここ数年、大きな変動はみられていません。後継者難倒産も高止まりしています。
帝国データバンクは「社長の平均年齢は今後も上昇傾向が続くとみられるが、これまでに培ってきたノウハウや歴史を絶やさないためにも、円滑な事業承継に向けた準備が急務になっている」と調査を締めくくっています。
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