世界でもロングセラーに

 海外進出を目指しながらも、文化や言葉の壁を乗り越えられるか不安に陥る企業は多いはずです。一方、商流や法律の違う他国で事業を展開することで、国内での可能性も広がると信じる経営者もいます。

 そんな経営者の一人が、湧永製薬の4代目社長・湧永寛仁さんです。創業者・湧永満之氏の孫にあたります。

 今年で販売60周年を迎える「キヨーレオピン」は、満之氏がドイツ人のオイゲン・シュネル博士の指導で開発した熟成ニンニク抽出液を基としています。

 体の調子を整えるニンニクの効能を、臭いが気にならない形で届けたいと開発したところ、熟成により生ニンニクにはない様々な効果が見られたのだそうです。「疾病を未然に防ぐことができるという意味で『基礎薬』と弊社で呼んでいます」と、湧永さんは説明します。

湧永製薬を支えてきた看板製品の「キヨーレオピン」(同社提供)

 キヨーレオピンは滋養強壮に役立つ医薬品として、日本で長年トップシェアを占めてきました。世界市場では、健康補助食品のブランドとして、知る人ぞ知るロングセラー商品になっています。これまでに50カ国以上で「Kyolic」という商標のもと販売され、アメリカでサプリメントを扱う店には、必ずと言っていいほど置いている定番商品となっています。

コロナ禍でも売り上げを伸ばす

 新型コロナウイルスによるパンデミックに見舞われた2020年には、シリーズのひとつである「Kyolic Immune Formula」(キョ―リック・イミューン・フォーミュラ)の海外での売り上げが、前年比で1.7倍となったそうです。

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