目次

  1. サブスクとは
  2. サブスクの休止・撤退事例
  3. サブスク成否の要因調査の概要
  4. 回答者の91%が「失敗」
  5. 失敗するサブスク7つの特徴
    1. 顧客への提供価値は「手軽さ」でデータ活用ができていない
    2. 解約抑止やサービス改善に注力できない
    3. ターゲットや課題・ニーズの具体化が不十分
    4. 顧客サポートやメンテナンスの仕組み作りが不十分
    5. KPIに「利益」や「収益」の視点が欠けている
    6. 既存の調査データや文献を調べていない
    7. 社内調整に難航する

 サブスクとは「サブスクリプション」の略で、主に一定期間、決まった料金を継続して支払い、モノやサービスを利用するビジネスを指します。身近なものでいうと、音楽や動画の配信サービスがあります。毎月、定額の料金を払うとスマートフォンなどで聴き放題、見放題になります。

 スマホの普及とともにここ数年で格段に知られるようになり、サービスの種類も増えました。

サブスクのメリット・デメリット(朝日新聞デジタルから一部引用)

 サブスクが増える一方で、事業の休止や撤退に至る事例も増えています。理由は様々ですが、次のような休止・撤退が知られています。

  • AOKIのスーツレンタル「suitsbox」
  • ZOZOTOWNの「おまかせ定期便」
  • レインズインターナショナルの焼き肉チェーン店牛角の「食べ放題PASS」
  • 資生堂のスキンケアサービス「オプチューン」
  • 男性用カミソリの定期購入サービス「Tokyo Shave Club」

 会員数の伸び悩みが原因によるサブスクの撤退も少なくありませんが、実態が公に語られることはあまりありません。そこでコンサルティングファームでNTTデータグループの「クニエ」がサブスク事業経験者に調査し、サブスク事業の実態と成否を分ける要因を分析しました。調査概要は以下の通りです。

  • 手法……インターネット定量調査(スクリーニング調査828人、本調査500人)
  • 対象……日本全国の一般企業で、事業化されたサブスクに携わった経験者
  • 調査期間…… 2021年1月13~19日

 契約者数、利益率、継続率などの最重要KPIの達成率が100%に満たない場合は計画未達であるため、クニエの調査では、最重要KPI達成率が100%以上を成功、100%未満を失敗と定義しました。

 その結果、失敗のケースは91%に上りました。別の新規事業に関する実態調査では、KPI達成率100%未満は79%だったため「サブスク事業は通常の新規事業よりも失敗する比率が高いといえる」と説明しています。ただし、業種による成否の差はあまり見られませんでした。そこで、業種にかかわらず失敗する7つの特徴を紹介します。

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