目次

  1. オーダースーツ仕立て補助券とは
  2. ふるさと納税の寄付額の推移
  3. 返礼品に登録した理由は「職人の高齢化」
  4. 事業者登録の流れ
  5. ふるさと納税の寄付を集める2つの工夫
    1. 銀座英國屋で仕立てたい人を増やす
    2. サイト上に寄附金の活用先を明示
  6. ふるさと納税による効果
  7. 事業者から見たふるさと納税の意義とは

 オーダースーツ仕立て補助券とは、北本市のふるさと納税でもらえる返礼品です。寄付額の3割相当をオーダースーツを仕立てるときの補助券として使えます。補助券は3年間有効のため、複数年の寄付分をためて注文する人もいるそうです。

 銀座英國屋の縫製工房が北本市にあるため、銀座英國屋が申請し、返礼品として登録されました。

 銀座英國屋は2017年度にふるさと納税の返礼品にオーダースーツ仕立て補助券を登録しました。申込件数と寄付額は大きく伸びています。

  • 2017年度……137件(2300万円)
  • 2018年度……846件(1億4600万円)
  • 2019年度……1548件(2億4100万円)
  • 2020年度……1918件(5億8600万円)

 高額納税者にとって、1万、2万円台の食品の返礼品では寄付しきれないのが現状です。そんななか、実用性の高さが寄付額を伸ばす要因の一つとなっています。

 しかし、銀座英國屋の工夫はそれだけではありませんでした。

 ふるさと納税の返礼品を始めたきっかけとして、小林さんは「職人の高齢化はどの業界でも課題ですが、フルオーダースーツ業界でも縫製職人の高齢化は激しい状況でした」と話します。職人の中心は50~70代。若い職人に技術を教える環境を整えるためにも、フルオーダースーツのまとまった数の受注が必要でした。

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