プロを目指すほど野球に打ち込む

 白石書店は1923(大正12)年に創業し、主に高校の教科書や医学書、一般書籍などの販売が中心です。6店舗を構え、本店に併設したカフェの経営や、ユーチューブでの動画配信なども行っています。白石さんは、5代目社長の父隆之さんの長男です。現在は「統括マネージャー」として、店舗で扱う商品の選定や、店全体の方針の策定を担っています。

 元々は、家業にそこまで興味がなかったといいます。「身近にラーメン店の息子など商売をしている家が多く、経営者という仕事に、特別な意識はありませんでした」

かつての白石書店

 白石さんは小学校3年生から始めた野球に打ち込んでいました。福岡県の強豪・東筑高校では野球部主将を務め、プロを目指して野球一色の生活でした。

 しかし、進学した立命館大学で野球部に入ったものの、けがの影響で1年で退部しました。「自分の中心がぽっかりなくなってしまったような感じで、これから先どうすればいいか、と考えました」

父のすごさを知った書店バイト

 そんな時、近畿地方大手の大垣書店の二条駅前店(京都府)にふらっと入ったのが、転機になりました。置き方やポップが工夫されていて、思わずそこにあった本を手に取ったといいます。

 「ちょっと離れたところからでも、目を引くキャッチコピーが見え、近づくと本の詳細が、より詳しく書かれていました。本をこんな風に魅力的に見せられるのかと思い、書店の仕事を経験してみたい思いがわきました」

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