リーマンショックで売り上げが半減

 静岡市にある山崎製作所は1970年設立の精密板金加工を行う町工場です。主に工場用機械部品を手掛けており、バブル期には2億から3億円の売り上げがありました。

山崎製作所2代目社長の山崎かおりさん

 2代目の山崎かおりさん(57)は、大学卒業後、中国雑貨の個人輸入業を起業。その後、地元静岡の一般企業に就職し、人事を担当していました。ずっと働き続けるつもりでしたが、結婚し妊娠すると、部下を上司にされるなどのマタハラを受け、退職を余儀なくされます。

 「ちょうどその頃、母から経理を手伝ってほしいと頼まれたこともあり、家業であれば、仕事と子育てを両立できるのではと考え、入社しました。1991年のことです」

 山崎さんは、子どもの頃から「家業を継ぐつもりは全くなかった」と言います。しかし、リーマンショックにより売り上げが半減し、倒産の危機に直面。

 当時、父が体調を崩していたため、「私が継ぐしかない」と決意し、2009年9月に2代目社長に就任します。

後を継いで知った先代の思い

 後を継いだものの、ワンマン社長だった父は、「俺の会社だ。お前の好きなようにはさせない」と言い、言い争いが絶えない日々が続きました。

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