月次支援金の申請書類の不備に注意 振り込みまでの必要日数も紹介
2021年4月以降の緊急事態宣言などの影響を受けた中小企業や個人事業主向けの「月次支援金」の申請受付が2021年6月16日に始まりました。振り込みまでにかかった日数は2週間以内が37%でした。しかし、申請は提出する書類通り正確に記載しないと、修正を求められ、審査に時間がかかるおそれがあります。注意点も含めて紹介します。(2021年9月11日更新)
2021年4月以降の緊急事態宣言などの影響を受けた中小企業や個人事業主向けの「月次支援金」の申請受付が2021年6月16日に始まりました。振り込みまでにかかった日数は2週間以内が37%でした。しかし、申請は提出する書類通り正確に記載しないと、修正を求められ、審査に時間がかかるおそれがあります。注意点も含めて紹介します。(2021年9月11日更新)
目次
月次支援金は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の地域の飲食店と直接または間接的な取引があることで、2021年の⽉間売上が2019年または2020年の同⽉⽐で50%以上減少した中小企業や個人事業主に向けた支援金です。
また、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の地域の個⼈顧客と直接的な取引があることで、2021年の⽉間売上が2019年または2020年の同⽉⽐で50%以上減少した中小企業や個人事業主も対象になります。
9月6日時点で、約130万件の申請に対し、約77万件が振り込まれました。
経産省の公式サイトによると、8月2日時点で、月次支援金の振り込みまでにかかった日数は14日以内が約37%、28日以内が合計約81%に上ると説明しています。
ただし、書類に不備があると、振り込みが遅れる原因となりますので、申請時に必要書類と指摘されやすい不備について確認しておきましょう。
月次支援金の事務局サイトの申請要領によると、申請に必要な書類は、初回であれば、次の5点が必要です。
申請書類に不備があった場合は、事務局から修正依頼が来ます。その分、審査に時間がかかります。給付要件を満たさないおそれがあるときは、追加で資料の提出を求められる場合もありますので注意してください。
一時支援金でも、何度も不備が指摘されて受給が遅れているケースが起きています。一時支援金の申請などをもとに想定される不備について、事務局が説明しています。
申請に必要な書類は、スキャンまたは撮影した画像での提出が必要です。月次支援金の事務局サイトの「申請における注意事項」によると、下記の場合に不備として扱われる、と説明しています。
データの保存方式(拡張子)は、JPG、JPEG、PNGなどの画像ファイルか、PDFの電子文書ファイルかに限定されています。添付できるデータは、1ファイルあたり10MBまでのため、場合によっては画像サイズの変更が必要になります。
iOS11以降のiPhoneやiPadでは、HEIF形式で保存されてしまうため、下記の対応が必要です。
事務局のサイトは、以下の書類それぞれについて注意点を細かく指示しています。
とくに提出する書類と、申請画面の入力フォームで記載する内容に齟齬がないかどうか、書類が複数枚にわたるときはすべて添付されているかを注意してください。
このほか、申請画面に入力した氏名と本人確認書類に記載されている氏名が一致しない場合が想定されます。たとえば、結婚などによる改姓で申請者名と提出書類の名前が異なる場合、旧姓及び新姓の分かる公的書類の添付が必要になります。
金融機関の口座は、通帳の通り正確に入力できているかを確認してください。このほか、金融機関の統合・合併で古い通帳(口座情報)のままの申請や、口座解約や口座が凍結されている場合、振込ができないことがあります。
口座名義に半角スペースがある場合は、半角スペースとして入力ください。小さい「ッ」や「ョ」などは使えません。大きい「ツ」「ヨ」などに置き換えて入力してください。
中黒点「・」は、ピリオド「.」またはスペースを使ってください。カナ長音文字(-)は、半角ハイフン、マイナス(-)を使用してください。
個人事業者で、本人確認書類(運転免許証等)の氏名と口座名義が異なる場合は、〈口座情報入力〉画面の〈氏名と口座名義〉で「一致していない」を選択し、〈不一致理由〉でその理由を選択してください。
月次支援金の申請には、基本申請と簡単申請の2パターンがあります。すでに一時支援金などを受給している場合は、月次支援金の申請をするときに基本的に対象月の売上台帳等の添付だけで申請できる「簡単申請」を選ぶことができます。
ただし、簡単申請は次の5つすべてに当てはまる場合に選んでください。
たとえば、外出の自粛の影響を受けた事業者で、取引先が個人のみで申請フォームに入力する事業者がいない場合でも、6月17日時点の申請フォームでは取引先の入力を求められる仕様になっています。
この対処については、この記事末尾の問い合わせ先に相談してください。
経産省が公表している「補足QA」に今後反映される可能性もあります。
申請しても、次のように対象者でない場合も不備として取り扱われます。
月次支援金は、本業として事業活動をしている人が対象です。つまり、雇用契約を結んで働いているサラリーマン・パート・アルバイト・派遣・日雇い労働者などは対象外です。国民健康保険証を持っていても被扶養者は対象外です。
申請者が選択した売上減少の対象月において、国民健康保険に加入していない場合は不備として扱われます。2021年4月分を申請するのに、国民健康保険の資格取得日がそれ以降の2021年5月1日だった場合などを想定しています。
TEL:0120-211-240(フリーダイヤル)、03-6629-0479(IP電話の場合)。いすれも8:30~19:00(土日、祝日含む)に対応しています。
電子申請を行うことが困難な人は、全国各地の申請サポート会場で補助員から電子申請の手続きのサポートを受けられます(要予約)。
おすすめのニュース、取材余話、イベントの優先案内など「ツギノジダイ」を一層お楽しみいただける情報を定期的に配信しています。メルマガを購読したい方は、会員登録をお願いいたします。
朝日インタラクティブが運営する「ツギノジダイ」は、中小企業の経営者や後継者、後を継ごうか迷っている人たちに寄り添うメディアです。さまざまな事業承継の選択肢や必要な基礎知識を紹介します。
さらに会社を継いだ経営者のインタビューや売り上げアップ、経営改革に役立つ事例など、次の時代を勝ち抜くヒントをお届けします。企業が今ある理由は、顧客に選ばれて続けてきたからです。刻々と変化する経営環境に柔軟に対応し、それぞれの強みを生かせば、さらに成長できます。
ツギノジダイは後継者不足という社会課題の解決に向けて、みなさまと一緒に考えていきます。