目次

  1. JISとは
  2. マスクのJISをつくった理由
  3. JISがマスクに求める性能要件
    1. 医療用マスク及び一般用マスク(JIS T 9001)
    2. 感染対策医療用マスク(JIS T 9002)
  4. アイリスオーヤマやユニ・チャームは取得方針

 日本規格協会によると、日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)。日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格のことです。

 JISを定めることで、生産を効率化できたり、製品を使う側の利便性を上げたり、消費者の利益確保につながったりします。

 新型コロナの感染拡大で、海外製マスクの輸入や異業種のメーカーがマスク製造を始める動きがありました。しかし、マスクの品質や性能に関する公的な規格や基準はなく、性能の比較が難しい状況でした。

マスクの着用のポイント(朝日新聞デジタルから引用)

 経済産業省によると、JISをつくることで、マスクの品質向上と使用者が安心して選択できるようになります。さらに「日本の高品質なマスクの国際的な競争力向上につながることが期待されます」とも説明しています。

 厚生労働省などによると、JISがマスクに求める性能要件は次の通りです。

 微粒子や飛沫などの体内への侵入を防ぎ、空気中への飛散を防ぐことを目的とした医療用・一般用マスクについての規格です。同じ規格ですが、一般用と医療用は区別されています。

 一般用マスクは、一般消費者が使用するマスクです。微粒子、バクテリアを含む飛沫、ウイルスを含む飛沫、花粉の4つに対する捕集機能と通気性、安全・衛生項目の規定があります。

一般用の不織布マスク

 これに対し、医療用マスクは、一般医療、介護などに従事する方々が使用するマスクについて規定しています。医療用マスクに必要な捕集機能、人工血液バリア性について、3つのクラスに分類しています。通気性、安全・衛生項目は共通の規定があります。

 感染対策医療用マスクは、感染症にかかっている患者に対し、手術、治療、接近する医療従事者の感染対策のためのマスクです。人工血液バリア性などの付加性能の有無で2つのタイプに分かれ、性能要件とその試験法に加え、安全・衛生面も考慮して規定しています。

N95マスク

 アイリスオーヤマは6月22日にも、国内と中国で生産しているマスク全商品について「一般用と医療用マスク」の規格(JIS T9001)の認証取得に向けて申請をする予定です。
さらに、今年度中に生産を始める予定の医療用N95マスクは「感染対策医療用マスク」の規格(JIS T9002)取得を目指します。

 ユニ・チャームも申請を進める方針を決めました。「超快適マスク」や「超立体マスク」のシリーズや業務用マスクはJIS T9001を、N95マスクはJIS T9002の取得を目指す予定です。