目次

  1. ファイル転送サービスを選ぶときに確認しておきたいこと
    1. サービスの利用目的
    2. 相手先のセキュリティ要件
    3. サービスの使い勝手
  2. おすすめのファイル転送サービス4選
    1. GigaCC
    2. どこでもキャビネット
    3. Google Workspace ドライブ機能
    4. Fleekdrive
  3. ファイル転送サービスとは
  4. ファイル転送サービスのメリット・デメリット
    1. ファイル転送サービスを利用する利点(メリット)
    2. ファイル転送サービスのリスク(デメリット)
  5. ファイル転送サービスの種類
    1. 無料のファイル転送サービス
    2. ファイル転送機能のみ提供するサービス
    3. ファイル転送機能付きデータストレージ
  6. ファイル転送サービス利用の際の注意点
    1. 自社のセキュリティポリシーに準拠した上で利用すること
    2. 電子取引に関する規程を作成する
  7. 適切な手順でファイル転送サービスの活用を

 最初に、ファイル転送サービスを選ぶときに確認したいことを3つ、ご紹介します。

 サービスを利用する際に転送するファイルの種類や容量、送付先によって、利用すべきファイル転送サービスの種類が変わります。

 たとえば機密度の高い情報を送る際には、セキュリティレベルの高いサービスを選定しなければいけません。

 そのファイル転送サービスが、自社だけでなく、相手先のセキュリティ要件も満たしているかどうかも忘れずに確認してください。

 自社ではOKでも、相手先の会社が、たとえば送付されたリンク先をセキュリティポリシー上利用できない、利用の際に事前承認を得なければならない、といったケースがあるためです。

 無料トライアルや無料版のサービスを利用し、使い勝手をチェックしてみましょう。実際に触ってみてもわからない部分は、カスタマーサポートに問い合わせるのもひとつです。

 2021年6月現在で、ファイル転送サービスまたはファイル共有・転送機能を持つサービスのうち、私が実際に利用しておすすめできるサービスをご紹介します。

  1. GigaCC(日本ワムネット) 
  2. どこでもキャビネット(大塚商会)
  3. Google Workspace ドライブ機能(Google)
  4. Fleekdrive(Fleekdrive)

 日本ワムネットの提供するGigaCCは、ファイル転送サービス分野では2002年のサービス開始以来、20万ユーザー以上が利用するトップサービスです。

 セキュリティに関しても、上場企業の内部統制要件を満たす管理機能が充実しており、上場企業だけでなく、金融機関や地方自治体など、広く利用されています。

 もちろん、無料トライアル版があるので、使い勝手を利用前に試すことが可能です。

 当サービスは、私がコンサルティング会社勤務時代に、取引先とのファイルのやりとりするときに利用していましたが、大量の取引データをやりとりするのに十分なセキュリティと機能性を兼ね備えたサービスだと感じました。

サービス名 GigaCC
サービス提供会社名 日本ワムネット
価格(初期費用) 【初期費用】
50000円(税抜)
【月額費用】
スタンダードプラン:1GB/10ID/12000円(税抜)
無料サービスの有無 無料トライアル利用可
ファイルサイズの上限 2GB
ユーザー数 10ユーザーより利用可
セキュリティ ・グローバルIPアドレス制限
・ID/パスワード認証
・ウイルスチェック機能
・サーバ内暗号化
・不正アクセス自動ロック
・管理権限設定
・ディレクトリ権限設定
・アカウント期限設定
・SSL暗号化通信
・履歴ログ管理
・コールサポート
オプション ・独自URL・画面カスタマイズ
・パスワードルール・強制変更設定
・一斉振り分け送信
・ZIP強制暗号化
・宛先制限
・送信・共有各種設定
・上長承認(ワークフロー機能)
・自動削除
・認証パスワード必須化
・メールひな形の変更
・履歴ログ自動出力
・全件バックアップ機能

 GigaCCの公式サイトはこちら。

 大塚商会のどこでもキャビネットは、2012年より販売されているサービスです。

 昨今、PPAP(添付ファイルを暗号化し、別メールでパスワードを送付)が避けられている状況でメール添付に代わるファイル共有サービスとして注目されています。

 どこでもキャビネットの売りは、その簡単な操作性(ノーマニュアルで操作を理解できる)と、価格が(1人あたり300円/月)安価であること。

 セキュリティにも手を抜いているわけではなく、自社の国内データセンターにて運営・管理されており、管理機能にて操作履歴も残すことが可能です。

 法人利用のサービスとして十分な機能が付与されているサービスといえるでしょう。

 私自身も、過去の案件で利用してみたことがありますが、非常に使い勝手がいい印象を受けました。

サービス名 どこでもキャビネット
サービス提供会社名 大塚商会
価格(初期費用) 【初期費用】
0円
【月額費用】
50GB /10ID/3000円(税抜)
セキュア版:200GB /200ID/10000円(税抜)
無料サービスの有無 14日間無料体験を提供
ファイルサイズの上限 2GB
ユーザー数 10ユーザーより利用可
セキュリティ ・IPアドレス制限
・アクセス権設定
・ウイルスチェック
・アクセス履歴
・SSL通信
オプション 端末認証オプション

 どこでもキャビネットの公式サイトはこちら。

 Google Workspaceのドライブ機能(Googleドライブ)のファイル共有機能は、小規模事業者や個人事業主にとって安価に文書情報をやりとりできるサービスです。

 フォルダに格納されている当該ファイルをメールで送付すれば、Drive上にあるファイルをダウンロードすることが可能になります。

 また、Drive上にあるファイルやフォルダの共有リンクを送付すれば、ファイルを共有できます。

 私は主に、税理士事務所とのやりとりをする際にこの機能を使っていて、領収書や請求書のコピーや通帳の写し、データで授受をしている取引情報などを共有し、記帳をはじめとするさまざまな業務をしてもらっています。

 登録ユーザ以外アクセスできないようにアクセス制限もできるので、一定のセキュリティ要件を保つことも可能です。

 ただし、一方のITセキュリティが低い場合、「リンクを知る人が全てアクセス可能」というモードに下げて情報共有をせざるを得ない場合があります。

 そのときは、権限のない人にリンクを知られないようにリンクの有効期限を設定するなどして、セキュリティを工夫する必要があります。

サービス名 Google Workspace Drive機能
サービス提供会社名 Google
価格(初期費用) 【初期費用】
0円
【月額費用】
Business Starter:30GB/1ID/680円(税抜)
無料サービスの有無 個人向けの無料版あり
ファイルサイズの上限 ファイル容量上限までは可能と推定
ユーザー数 1ユーザーより利用可
セキュリティ ・ID/パスワード認証
・二要素認証機能(ワンタイムパスワード)
・サーバー内暗号化
・権限設定(フォルダ/ファイル毎)
・不正ソフトウェア検出機能
・データ暗号化
・履歴・版管理
・アクセス履歴
オプション ・監査ログ機能
・データ消失防止機能

 Google Workspace ドライブ機能の公式サイトはこちら。

 Fleekdriveの法人向けファイル共有サービスFleekdrive。金融機関向けのシステム開発を行っていた、株式会社ソルクシーズで開発されたSaaSサービスです。

 メッセージ方式でファイルのリンクを共有したいユーザー向けに送り、ダウンロード可能期間や可能回数を限定した形で共有できます。相手方の操作履歴を確認することも可能です。

 また、セキュリティレベルも高く、クラウドサービスのセキュリティ認証である「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」の認定を取得しています。

 私自身は、ITスタートアップにいた頃に、社内情報の管理と社外との共有のために本サービスの利用をしていました。

 ファイル転送だけでなく、オンライン上でファイルの編集作業ができ、当事者間で共同作業しやすい印象があります。

サービス名 Fleekdrive
サービス提供会社名 Fleekdrive
価格(初期費用) 【初期費用】
0円
【月額費用】
ビジネスプラン:2TB/10ID/15000円(税抜)
無料サービスの有無 30日間無料トライアルあり
ファイルサイズの上限 40GB
ユーザー数 10ユーザーより利用可
セキュリティ ・ウィルスチェック
・ファイルの暗号化
・IPアドレス制限
・履歴・版管理
・バックアップ
オプション ・PDFセキュリティ
・PDF透かし
・サブドメイン管理
・印刷制御

 Fleekdriveの公式サイトはこちら。

 ファイル転送サービスとは、複数の当事者間で文書・スプレッドシート・プレゼンテーション・画像データなどのデータを送受信するためのサービスです。

 以前はセキュリティの問題もあり、2019年には法人利用も多かった大手ファイル転送サービスの個人情報流出事件が発生(当該サービスは翌年サービス終了)し、リスク面から利用が躊躇されるようなケースも見受けられました、

 ただ、2020年の新型コロナウィルスによるテレワークの推進により、

  • 在宅で働くケースが増え、書面で会社データを持ち出すことができない
  • 双方オフィスにいないため、バイク便などが使えない
  • PPAPが利用を禁止される傾向があり、別のファイル送付手段が必要となっている

 ことから、ファイル転送サービスが再び注目されています。

 ファイル転送サービスを利用する際には、サービスの特徴について理解することが大切です。利点(メリット)とリスク(デメリット)をおさらいしましょう。

 ファイル転送サービスを利用する利点(メリット)は、主に次の3つです。

  • 大容量のファイルを一括で送付できる
  • 低コストで導入・利用が可能
  • セキュリティリスクを回避できる

大容量のファイルを一括で送付できる

 ファイル転送サービスの最大のメリットは、メールでは困難な大容量のファイルの一括送付ができる点です。

 これまでのように、図面ファイルや写真や画像などを多く貼り付けた資料やデータベースを、分割して送る必要がなくなります。

低コストで導入・利用が可能

 分割が難しい大容量のファイルを送付する場合、これまでだとCD-ROMやUSBに保存し、バイク便やメール便などで送付することが多く、余計なコストがかかっていました。

 ファイル転送サービスはクラウドサービスのものが主流で、設備やシステムに投資する必要もないため、送付に必要なコストを最低限におさえられます。

セキュリティリスクを回避できる

 ファイルを送るときに生じるさまざまなセキュリティリスクを回避できるのも、ファイル転送サービスのメリットです。

 たとえば、最近のファイル転送サービスには送付前に送付確認をする機能や、送付後に誤送信が判明したときに送付したリンクを無効化する機能があり、「誤送信」によるトラブルを未然に防げます。

 また、バイク便やメール便を利用したときに生じる可能性のある、物理的な紛失リスクも回避できます。

 一方で、ファイル転送サービスを利用する際には、以下3点のリスク(デメリット)に留意する必要があります。

  • セキュリティの設定が自社でコントロールできない
  • 情報漏洩・消失リスクの可能性がゼロではない
  • 操作履歴を自社で管理するのが難しい

セキュリティの設定が自社でコントロールできない

 ファイル転送サービスは社外の事業者が運営しているサービスです。そのため、セキュリティの設定レベルを自社でコントロールしづらいです。

 利用検討時には、どの程度セキュリティの設定が可能かを確認する必要があります。

情報漏洩・消失リスクの可能性がゼロではない

 メリットのところでさまざまなセキュリティリスクを回避できるとお伝えしましたが、ファイル転送サービスはクラウドサービスであることから、一定の情報漏洩・消失リスクは存在します。

 検討しているサービスが、これらのリスクに対してどのように対応しているか(送受信データの暗号化、送受信時の認証(アクセスコントロール)など)確認する必要があります。

操作履歴を自社で管理するのが難しい

 ファイル転送サービスの場合、操作履歴(ログ)を自社システムに保管できないため、別途ファイル転送サービスを操作し、「何を」「誰に」送ったかという履歴を取る必要があることが多いです。

 特に情報セキュリティを重視している会社にとっては、この点がセキュリティホールになることも懸念されます。

 ファイル転送サービスは、現在、数多くのサービスが提供されていますが、大きく3つにわけることができます。

 無料のファイル転送サービス、ファイル転送機能のみを提供するサービス、ファイル転送機能がついたデータストレージです。

 それぞれの特徴をご紹介するので、利用目的を明確にした上で、どのサービスが自社に合っているのか見てみてください。

 無料のファイル転送サービスには、以下の2種類があります。

  • 無料サービス:無料で提供されているサービス
  • 有料サービスの無料版:法人向けサービスで多い。送付可能データの上限などを機能を限定し、提供されているサービス

無料サービス

 無料サービスは、サービス提供自体は無料で、中にはユーザー登録すら不要のサービスもあります。

 ただし、当然操作履歴は取れませんし、セキュリティ上は情報漏洩のリスクは高いです。

 また、画面上に広告などが多く貼り付けられているため、法人向けには適当ではないサービスが多く見られます。

有料サービスの無料版

 有料サービスの無料版は、サービスを検討する際に、操作性などの使い勝手を把握したいときには有効です。

 ただし、機能が限定されていて、実際の使い勝手を確かめるためには、有料プランの無料期間登録をしなければならない場合もあります。

 文字通り、ファイル転送機能のみを提供するサービスです。

 最近ではセキュリティレベルも上がっており、アクセス制限(二要素認証の導入)や、法人の内部統制に対応するための監査証跡(操作履歴など)が残るような仕組みのものもあります。

 また、電子帳簿保存法に対応し、タイムスタンプを付与する仕組みがついた仕組みも存在します。

 ファイル転送機能がついているデータストレージは、最近、利用が増えているサービスです。

 データストレージは、アクセス制限やストレージの中でのデータの暗号化が行われているものもあり、高いセキュリティレベルを保持しています。

 また、ファイル共有方法もリンク先を送付しての方法から、ダウンロード可能期間/ダウンロード回数を限定することも可能です。かつ操作履歴も取ることができます。

 加えて、電子帳簿保存法や電子署名法に対応したサービスもあり、送付するファイルに対してタイムスタンプや電子署名を付して送付することが可能なサービスもあります。

 ファイル転送サービスを利用するときの注意点のうち、代表的なものを2点解説します。

 ある程度以上の規模の会社なら、内部統制のための基本的なルールや、情報セキュリティのための基本的なルールがあるでしょう。

 サービスを利用する際には、自社の情報セキュリティルールを踏まえた上で利用を検討してください。

 ファイル転送サービスは手軽に利用できるため、自社の情報セキュリティポリシーなどを踏まえずに現場レベルで契約しがちです。

 特に、無料サービスを大容量のデータを送付するのに利用してしまうケースが見受けられます。

 先述の通り、無料サービスはセキュリティレベルが高くなく、セキュリティ事故が起こる場合もあります。

 自社のセキュリティポリシーを無視して、サービスを利用することは推奨できません。

 令和3年度(2020年度)の電子帳簿保存法の改正により、FAXやメール添付またはファイル転送サービスなどを用いて企業間で取引情報をやりとりすること(以下、電子取引)に関する規程も改正されました。(令和4年1月1日より施行予定)

 現状では、電子取引にて授受した取引情報(請求書・見積書・注文書・領収書など)は、一定の要件のもと電子データのままで保存するか、書面に印刷して紙で保存するかをすれば法的要件を満たしていました。

 しかし、今回の法改正で、令和4年1月1日以降はこの「書面に印刷して紙で保存」という要件が削除され、電子データのまま保存することが義務付けられることになっています。(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成十年法律第二十五号)・令和元年12月16日施行第10条令和4年1月1日施行第7条を比較)

 具体的な保存要件は、以下のとおりです。

  1. 受領側で認定タイムスタンプをファイルに対して付して保存する
  2. 送信側で認定タイムスタンプを付されたファイルを保存する
  3. ファイル登録後、「改変・削除ができない」または「改変・削除の記録が残る」システムで保存する
  4. 「取引情報の管理のための規程」を整備し、その通りに運用・管理を行う

 改正法に抵触しないためにも、これを機に電子取引の情報をどう適切に取り扱うか、というルール作りをすることをおすすめします。

 その上で、1から3にあるような仕組みの導入も必要であれば、検討してみてください。

 ファイル転送サービスを利用を検討する際には、次の3つが必要です。

  1. サービス利用目的を明確にし、
  2. 目的に必要な要件を確認した上で
  3. サービスを選定することが必要です。

 ファイル転送サービスを適切に活用することで、セキュリティを維持しつつ、業務の効率化、生産性の向上にもつながります。是非、ご検討ください。