目次

  1. 3期連続赤字で債務超過に
  2. 住宅元請けへの挑戦で壁に
  3. 失敗を糧に考えた規格住宅
  4. 住宅展示場で凝らした工夫
  5. 新卒大量採用にこだわる理由
  6. 新卒採用の工夫
  7. 説明会で大切な五つのポイント
  8. 若手社員の活躍で危機でも成長
  9. 若手でも契約につなげられる工夫
  10. 「老舗+ベンチャー」という強み

 2019年が4人、20年11人、21年19人。ヤマカ木材は、この3年間で計34人の新卒社員を採用しました。社員数80人の35%が、新卒3年目までの社員で構成されている計算になります。一方、直近3年間の離職率12%です。積極的な採用を進めているのが、3代目社長の山田重貴さん(48)です。

 ヤマカ木材は1951年、山田さんの祖父・数雄さんが材木問屋として立ち上げました。父で2代目の数重さんの時代に建築業に進出。主に大手ハウスメーカーの下請け建築を担っていました。

ヤマカ木材は材木問屋として始まりました

 山田さんは大学卒業後、名古屋市の材木問屋で修行し、2001年、28歳でヤマカ木材に入社しました。その後、専務に昇進しますが、当時の経営は苦しいものでした。特に07~09年は3期連続赤字で、債務超過に陥ったといいます。

 「こんなに頑張っているのに、なぜ赤字になってしまうのか」。山田さんは経営を分析した結果、下請け建築では利益率が低く、祖業の材木問屋は在庫負担が大きく、経営を圧迫していることに気がつきました。

ヤマカ木材3代目の山田重貴さん

 山田さんは、自分の手で商品を開発、集客し、価格を決める工務店になることを決意します。住宅の元請けになる以外、生きる道はなかったのです。

 社長の許可を得て、山田さんは早速、自分の理想の家を企画し、売ってみました。しかし、成果は5棟売れただけにとどまりました。その原因は何だったのでしょうか。

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