目次

  1. 客足の戻りの鈍かったスーパー銭湯の強みとは
  2. ワーケーションがヒント お金をかけない新サービス
  3. 第二弾はランナー向けの拠点としてPR
  4. スピーディーなサービス展開が必要な理由とは
  5. 「成功の法則」を分析するオンラインイベント

 大きな庭園露天風呂が特徴的な愛知県岡崎市のスーパー銭湯「おかざき楽の湯」。新型コロナの影響で、2020年4~5月の緊急事態宣言下では休業し、その後も、高齢者が利用者の大半を占める平日日中の客足の戻りは鈍く、売上にも大きなダメージが生じていました。

おかざき楽の湯の庭園露天風呂

 そんななか、2020年7月に店長の平山貴英さんが中小企業の相談所であるオカビズへ相談に訪れました。予算はかけられないが、なんとか売上を上げていきたいとの相談内容でした。

 私が1時間じっくりと話を聞くなかで注目したのは、広々としたスーパー銭湯の施設でした。お風呂、岩盤浴、食事処のほか、漫画コーナーや休憩所、フィットネスコーナーに、デスクスペース。そして無料Wi-Fiも完備されていました。

 そこで着目したのが、コロナ禍による人々のワークスタイルの変化です。リモートワークが急速に広がり、在宅勤務によって生まれる新たなニーズに注目しました。

 都市部のマンション暮らしの世帯を中心に、自宅の中では十分な仕事の環境を整えられない。あるいは連日の在宅勤務でストレスを抱え、環境を変えたいと言うような小さな不満が社会には生まれつつあるように感じてました。

 また、ワーケーションと言うキーワードが急速に広がりを見せていました。ワーケーションとは、Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。リゾート地などで、普段の仕事場とは異なる場所で働きながら休暇取得などを行うことを言います。

 とはいえ、実際に北海道や長野などでのワーケーションできる人は、それほど多くはありません。

おかざき楽の湯の休憩処

 一方、おかざき楽の湯には電源や照明を置いてリモートワークができるようなデスクスペースがありました。Wi-Fiもありリフレッシュするときには大浴場もサウナもある。そこで、スーパー銭湯を「リモートワーカーのためのリラックス環境のある仕事場」として提案することにしたのです。

 朝パソコンを持ち込みデスクで仕事をし、煮詰まればお風呂に入り、施設内の食事処でランチ。そして、午後も仕事をしながら一日の最後はサウナに入って「ととのう」…という一日を過ごすことができるのです。

「おかざき楽の湯」のワーケーションスペース

 こうして、費用を使わず今あるものを活用した「ご近所ワーケーション」プランができました。

 プランを開始したところ、朝からパソコン持って銭湯へ訪れる方が多数。メディアや新聞などでも取り上げられて、大人気のプランになりました。

 翌月には、平日日中の売上が先月比で120%近くに増加したのです。 リモートワーカーはもちろんのこと、デザイナーやコピーライターなど、フリーランスとして仕事をしていた人々の需要を取り込むことにもつながり、新たな顧客層が広がりました。

 「ご近所ワーケーション」の次に誕生したのが「ランナー応援プラン」です。コロナによって生まれた新たなニーズをとらえ、ピンチをチャンスに変えていく事業の展開を連続的にしていくことで、新たな需要を捉え売上の確保・アップにつなげていきます。経済環境が日毎に変わる現状では、常にトレンドを捉え新たな展開が求められているのです。

 新型コロナの感染拡大のなか、健康づくりの新習慣としてランニングをする人が増えています。とはいえ、繰り返し走っていると、家の周りをぐるぐる走るのみで単調な景色で飽きてしまう……。今回はそんなランナーのニーズに着目しました。

 東京都心であれば皇居ランはじめ、各地にランステーションがあり、そこで着替えてランニングを楽しみ、そしてシャワーを浴びてリフレッシュすることができます。しかし、地方都市にはランステ−ションは充分にはありません。

 一方でスーパー銭湯には、ロッカーもお風呂もあるのです。

 そこでスーパー銭湯・おかざき楽の湯の出番です。 近隣を走るランニングコースを地図に落とし込んだオリジナルランマップを作成。

おかざき楽の湯作成のランマップ

 ランニング後の風呂、着替え、食事とそろうランステーションと位置づけ、ミネラルウォーターやランマップをセットにし、こちらも新たな顧客層の開拓につながっています。

 「ご近所ワーケーションプラン」は、平山店長が相談に訪れてから、わずか8日間で複数の相談員がチームをつくり相談サポートを行い、サービスの新規投入となりました。

 新型コロナによって人々のライフスタイルも、ワークスタイルも大きく変化しました。そして感染状況や、規制の変化、トレンドの移り変わりなど様々な要素から、市場環境は刻一刻と変化をしています。

 たとえば、マスクをめぐるトレンドの変化です。昨春の品薄から、使い捨てマスクが1箱5000円前後で販売される一方、自宅で手作りをするために型紙やゴムひもも人気を集めました。

 その後、少しずつ商品が供給されてくると、ヒットアニメ「鬼滅の刃」をイメージした緑と黒の市松模様やレースなどデザイン性を重視したものが求められるようになりました。あるいは夏は涼しく冬は暖かいといった機能性があるものにも注目が集まりました。

 環境変化の激しいコロナ禍だからこそ、今あるものをいかし、ゼロ予算で売上アップの取り組みをスピーディーに展開していけるかが、とても重要です。

 市場トレンドを捉えていく上で欠かせないのが、常日頃の情報収集です。自社に関連する情報はもちろん、それ以外にも幅広く興味を持つこと。ビジネスセンスの高い人に共通するのは、情報感度の高さと幅広さではないでしょうか。例えば電車の吊り革広告も、テレビCMも、そしてコンビニの新商品も市場トレンドを捉える上でとても重要なヒントになるのです。

 そして、小回りを利かし機先を制するスピードこそ、中小企業の強みです。厳しい経済環境にはかわりはありませんが、変化に対応しむしろ先手を打っていくことができる小さな会社やお店にこそチャンスがある、と捉えてはどうでしょうか。

 毎年3000件近い相談が寄せられ、相談は1カ月待ち近くと行列の絶えない中小企業相談所オカビズ。コロナ禍でも1年間で「ピンチをチャンスに変える」100以上の新商品・サービスを生み出してきました。

 今回初めてその「成功の法則」を、コーチングの第一人者・本間正人さんが公開で分析するオンラインセミナーを7月27日20時から開催します。

 ビズモデルに関心がある人や中小企業支援に携わる方々はもちろん、企業経営者や大企業の新規事業開発担当者にもおすすめしたいプログラムです。

OKa-Bizの奇跡を生んだ「成功の法則」をコーチング第一人者が解き明かす

【プログラム】

20:00~20:15 本イベントのご説明・スピーカーのご紹介

20:15~21:30 OKa-Bizでのサポート事例のエッセンス解説

ケース1:本人が気付いていなかった「売り」を探して売上アップ

ケース2:ターゲット再設定し、新たな顧客に繋げて売上アップ

ケース3:コロナのピンチをチャンスに変え売上アップ

21:30~21:55 本日のポイントや学びの整理

21:55~22:00 クロージング

【料金】

社会人 6,000円

学生  2,000円