目次

  1. 商標とは
  2. 商標の種類
  3. 商標の活用事例
  4. 商標登録の流れ
  5. 商標の出願費用と登録費用
  6. 審査期間
  7. 拒絶理由通知を受けた場合の対策
    1. 商品・役務の表示が不明確/区分相違(商標法第6条第1項及び第2項)
    2. 使用についての疑義(商標法第3条第1項柱書)
    3. 識別力(商標法第3条第1項第1号から第6号)
    4. 先願(商標法第4条第1項第11号)
    5. 品質等の誤認(商標法第4条第1項第16号)
    6. 他人の周知・著名商標(商標法第4条第1項10号,15号,第19号)

 特許庁によると、商標は、事業者等が、自分の取り扱う商品・サービスを他人のものと区別するために使用する文字や図形などのマークのことを指します。

 具体的には、次のような場合が商標の活用例です。

  • オリジナルの商品名をつけた商品を製造・販売している
  • オリジナルのサービス名をつけてサービスを提供している
  • 看板やホームページに会社のロゴマークを表示している

 商標を登録しておくと、紛らわしい商標を他社が使ったり、登録したりすることを防ぐことができます。万が一、紛らわしい商標を無断で使用された場合は、裁判所に対して使用差止や損害賠償を請求できます。

 商標には、文字、図形、記号、立体的形状やこれらを組み合わせたものなどがあります。また、2015年4月からは、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標及び位置商標についても、商標登録ができるようになりました。

 特許庁は、公式サイト上で企業の商標活用事例を公表しています。たとえば、つっぱり棒で知られる「平安伸銅工業」は、価格競争よりも覚えてもらって指名買いしてもらえる商品を目指して、ブランド「LABRICO」(ラブリコ)を立ち上げました。

 「賃貸住宅でも壁に穴をあけずにDIY、女性や家族が楽しめる安全で手軽なDIY」というブランドコンセプトを設定したことで、社内の意識も統一しやすくなったといいます。

 こうした事例は特許庁の「事例から学ぶ 商標活用ガイド」(PDF:6.439KB)で読めます。

 商標登録の大まかな流れは次の通りです。

  1. ロゴマークやネーミング(商標)の決定
  2. 商標を使う商品・サービスの指定
  3. 似たような登録商標がないか調査
  4. 出願書類の作成と出願
  5. 出願後の手続き

 出願をすると、商標審査官が審査し、審査を通過したもののみが商標登録できます。原則として出願日から2、3週間程度経過後、出願内容が一般に公開されます。

 出願から登録までの流れは次の通りです。出願や登録するときに費用がかかりますので注意してください。

商標審査の流れ(特許庁の公式サイトから引用)

出願料:3400円+(8600円×区分数)
登録料:2万8200円×区分数(10年分一括納付の場合)
書面で提出した場合の電子化手数料:1200円+(700円×書面のページ数)

 商標を登録するときには、商品やサービスを使用する分野が分けられており、「自動車並びにその部品及び附属品」など45種類に分類されています。

 商標を使いたい分野が、複数の区分にまたがるとその分、手数料が高くなります。
詳しい計算方法は、特許庁の手続料金計算システムで試算してください

 2021年7月時点で、出願してから審査までは約1年かかります。早く審査を受けたい場合は審査期間が約半年に短縮できる「ファストトラック審査」などを活用してください。

 商標登録出願をしても、およそ3割5分の出願には、申請に不備などがあるとして拒絶理由通知書が届きます。

 拒絶理由通知は最終結果ではありません。特許庁の「お助けサイト」も見ながら、拒絶理由を把握し、反論するか、修正しましょう。

 下記に、おもな拒絶理由と対応策をまとめました。

 区分(第○類)や指定商品・指定役務の記載が、権利範囲の特定には適切ではない場合に通知されます。拒絶理由の約4割を占めています。

 特許庁が明確と認める商品・サービスのリストを検索できる「J-PlatPat」から選びましょう。

 出願人が、出願した商標を実際に使用するのか、または使用の意思や予定があるのか、疑義がある場合に通知されます。

 指定商品・指定役務の数を減らす補正をするか、出願人が商標をすでに使用している、使用の意思や予定があると認められれば、拒絶理由が解消します。

 識別力とは、自社の商品やサービスと、他社の商品やサービスとを区別する力のことをいいます。この識別力がないことが、拒絶理由の約2割を占めています。

 具体的には、「湘南二宮オリーブ」のように地名+商品名で構成されたものはオリーブオイルの品質・原材料を示しているに過ぎず登録できません。

 ほかにも「メロン丸ごとクリームソーダ」のように商品の品質を表したに過ぎないもの、「ネットワークおまかせサポート」のようにサービスの質を表したに過ぎないもの、「お客様第一主義」のように宣伝文句として一般的に使われているものも、識別力がないと判断されます。

 他人が登録している商標と似ており、かつ、指定商品・指定役務も似ていると判断された場合に通知されます。拒絶理由の約3割5分を占めています。

 「J-PlatPat」で似たような商標登録がないか調べてみましょう。

 商品の品質や役務の質の誤認を生じさせるおそれのあると判断された場合に通知されます。

 他人の周知・著名商標と紛らわしい商標と判断された場合に通知されます。