目次

  1. プラントベースフードとは ヴィーガンとの違い
  2. プラントベースの世界市場規模は15兆円
  3. 政府が公表したプラントベースフードの表示ルール
    1. 代替肉に「大豆肉」と表示できるか
    2. 食品添加物が植物由来でない場合の「100%植物性」表記
    3. プラントベースフードに「代替魚」と表記できるか
    4. プラントベースフードの原材料名の記載方法

 環境志向により食べ物への価値観が変わったり、宗教や健康上の理由で食べ物が制約されたりしている人が増えるなか、植物由来原料から作られた「プラントベースフード」が注目されています。

 「代替肉」や「大豆ミート」など様々な商品名で売り出されています。

プラントベースフードの一つ、大豆ミートの製品例や市場規模

 一般的には、動物由来の食品をとらないヴィーガンやベジタリアンほど厳格なルールはなく、植物性食品を積極的に取り入れたライフスタイルとして欧米を中心に広まりつつあります。

 そのため、代替肉や大豆ミートだけでなく、卵、ミルク、バター、チーズのほか、ボツリヌス混入リスクのない代替はちみつなど幅広い食品の分野で製造・販売されています。

 イギリスのバークレー銀行の公式サイトでは、世界の代替肉の市場規模を試算し、2029年までに肉全体の10%、15兆円を占めるようになると公表しています。

 しかし、日本を含むいくつかの国では、商品名に肉や魚をつかっていいのかがはっきりしないなど食品表示ルールのあいまいさが事業展開の足かせになっていました。

 そこで、日本政府は2021年8月にプラントベースフードの食品表示ルールを明確にするQ&Aを公表しました。消費者庁の公式サイトに例示された13項目をもとにいくつか例示します。

 代替肉の商品名に「肉」を意味する言葉が入ることの可否について、消費者庁は次のような見解を示しています。

代替肉は、食肉ではありません。 したがって、例えば、商品名とは別に、「大豆を使用したものです」、「原材料に大豆使用」、「お肉を使用していません」、「肉不使用」と表示するなど、一般消費者が、表示全体から、食肉ではないのに食肉であるかのように誤認する表示になっていなければ、景品表示法上問題となることはありません。

消費者庁

 食品添加物が植物由来でない大豆由来の代替肉の商品名に「大豆ミート」に「100%植物性」と併記できるかについて、消費者庁は次のように説明しています。

大豆ミート、100%植物性との表示に接した一般消費者の中には、食品添加物も含めて全ての原材料に植物性のものを使用していると認識する者もいると考えられます。 したがって、例えば、商品名とは別に、「原材料は植物性です(食品添加物を除く)」と表示するなど、一般消費者が、表示全体から、食品添加物を含めて全ての原材料に植物性のものを使用していないのに使用しているかのように誤認する表示になっていなければ、景品表示法上問題となることはありません。

消費者庁

 大豆、野菜から作ったプラントベースフードの商品名に「代替魚」、「植物ツナ」、「代替マグロ」と表示できるかについては次の通りです。

代替魚は、魚ではありません。 したがって、例えば、商品名とは別に、「野菜で作りました」、「原材料に野菜を使用」、「魚を使用していません」、「魚不使用」と表示するなど、一般消費者が、表示全体から、魚ではないのに魚であるかのように誤認する表示になっていなければ、景品表示法上問題となることはありません。

消費者庁

 プラントベースフードの、一括表示の原材料名の記載方法は次の通りです。

食品表示基準において、原材料名は「その最も一般的な名称をもって表示する」こととなっております。プラントベース(植物由来)食品の原材料名としては、例えば、大豆から作られている食品の場合には、「大豆」「大豆加工品」等と記載してください。 なお、プラントベース(植物由来)食品の原材料の名称としては、現時点では、肉や卵を含む用語は 、「一般的な名称」とは言えないと考えます。

消費者庁