目次

  1. 自社ブランドで急成長
  2. 決算書を読み込んで学んだ経営
  3. 縫製工場のチームプレーに感動
  4. OEM事業で目指した新規開拓
  5. 新進気鋭のブランドで受注成功
  6. 「若手プロジェクト」のリーダーに
  7. 課題解決型ブランドが誕生
  8. コロナ禍で進める生き残り策
  9. 父から伝授された経営者の心がけ

 1956年に創業した丸和繊維工業は、OEM(相手先ブランドによる生産)事業を柱にしてきました。ニット製衣類の設計、縫製の技術に定評があり、高級ブランドなどから頼りにされています。

 売上高は約23億円。本社、青森県、福島県に工場、茨城県に物流センターを持ち、グループ全体の従業員数は約170人です。

丸和繊維工業を大きく成長させた3代目で現社長の深澤隆夫さん

 長年、下請けとしての受注が中心でしたが、2011年、3代目で現社長の深澤隆夫さんによる自社ブランド「INDUSTYLE TOKYO(インダスタイル・トウキョウ)」の立ち上げが、転機になりました。

 「動体裁断・動体縫製」という、体の動きを妨げない設計と縫製の技術で、「極上の着心地」を実現。主力商品の紳士用シャツは、大手百貨店でも高く評価され、同ブランドは全売上高の2割を支えるようになりました。

「INDUSTYLE TOKYO」の紳士用シャツは、着心地の良さで高い評価を受けています(丸和繊維工業提供)

 社長の長男で取締役の信敬さん(31)は4代目として育ち、子どもの頃は「創業者の祖父から、家業に戻ることを刷り込まれました」と笑います。しかし、入社するまで縫製工場の中を見たことすらありませんでした。

 大学卒業後の13年に就職したのは、金融大手のオリックスでした。「後継者として財務が重要になると思い、金融業界に絞って就職活動をしました。30歳までは異業種で働き、自分の強みを作りたかったのです」

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