目次

  1. ホスティングサービスとは
  2. ホスティングサービスのメリット・デメリット
    1. ホスティングサービスのメリット
    2. ホスティングサービスのデメリット
  3. おすすめのホスティングサービス3選
    1. CPIレンタルサーバー
    2. さくらのクラウド
    3. mixhost
  4. ホスティングサービスを選ぶときのポイント
    1. 利用用途に合わせたサービスの選択
    2. サポート体制の充実度
    3. 拡張性や柔軟性
  5.  ホスティングサービスは利用目的を明確にして選ぶ

 ホスティングサービスは、通信事業者が用意したサーバーをインターネットを介してレンタルするサービスです。似たような言葉にレンタルサーバーがありますが、ほとんど同義と捉えてよいでしょう。

 ホスティングサービスでは物理サーバーを仮想的に区分けし、ユーザーごとに領域を割り当てています。例えば、ホスティングサービスをマンションに例えると、ユーザーAには101号室、ユーザーBには102号室というイメージで部屋を借りるようなものです。

 インターネット上でそれぞれの部屋をカスタマイズし、Webサーバーやメールサーバーなどとして利用しているとわかりやすいのではないでしょうか。

 また、混同されがちな用語としてハウジングが存在しますが、こちらは物理サーバーなどを設置するためのスペースを借りるサービスです。

 例えるならば、ホスティングサービスがマンションの一室を借りることに対して、ハウジングは空いている土地を借りるようなもの。土地を借りて自社ビルを建てるといったように、より大規模なシステムを構築したい場合に利用されます。

 ホスティングサービスはサーバーを借りる際に、次のような導入から構築にかかるサービスまでサポートしてもらえます。

項目 概要
ドメイン取得 ドメイン(例:https://www.company.co.jp)の取得や運用のサポート
指定OSのインストール WindowsやLinux/Unixなどの希望するOSのインストール
データ移行、システム移行の支援 既存のシステムやデータをホスティングサービス上の仮想サーバーへ移行するための支援
セキュリティ対策 暗号化通信を行なうためのSSL証明書や、ウイルス・スパム対策などのセキュリティ対策

 物理サーバーを使って一から構築する場合に対応しなければならないさまざまな項目も、ホスティングサービスを利用する際には代わりに対応してもらえるのです。

 これらのサービスを含め、ホスティングサービスを利用する際のメリットについて見ていきましょう。

 併せて、利用する上では忘れてはならないデメリット部分についても解説します。

 ホスティングサービスを利用するメリットとしては、おもに次の3点が挙げられます。

低コストで始められる

 ホスティングサービスは安価で利用できる場合が多く、物理サーバーを用意して一から構築する場合と比べると低コストで始められます。サービスによって費用は変わりますが、月数百円程度から利用可能です。

 また、多くのサポートを受けられることで、物理サーバーを利用する場合と比べて要求される専門的な技術レベルは低い傾向にあります。そのため、運用にかかるコストも抑えられます。

短期間で運用を開始できる

 早ければ契約してからその日のうちに運用を開始することも可能です。物理サーバーを用意する場合と比べると、圧倒的に運用を開始するまでの期間が短い点は大きなメリットとなっています。

 物理サーバーを利用する場合には、電源の確保はもちろんのこと回線の準備やOSインストールからインターネット上で公開するまでの対応など、さまざまな手順が必要となってきます。

 しかし、ホスティングサービスであればそれらは事業者側で実施済みであり、ユーザーはコンテンツを用意することだけに集中できるのです。

基本的なセキュリティ対策は実施済み

 インターネットに接続する以上、セキュリティ対策は欠かせません。Webサイト一つを公開するにしても、そのためのソフトウェアやOSの脆弱性対策、アンチウイルスや不正アクセス対策などさまざまな対策が必要です。

 ホスティングサービスでは、これらのセキュリティ対策はサービスとして提供されているため、ユーザーは安心して利用できます。

 さまざまなメリットがある反面、利用する上では知っておかなければならないデメリット部分も存在します。

カスタマイズ性は高くない

 ホスティングサービスは物理サーバーを用意する場合と比べるとカスタマイズ性は高くありません。サーバーは本来、例えるならば単なる土地そのものであり、その土地にビルを建てようが駐車場を作ろうが自由に行なえます。

 しかし、ホスティングサービスを利用する場合には、すでに建っているビルの一室を借りるだけで、あとから駐車場を作りたい、と思っても対応できないのです。

 もちろん、サービスによっても異なりますが、静的なWebサイトを構築して公開することはできても、自社で制作したWebアプリの公開はできない、などの制約が存在する場合があります。

他ユーザーの影響を受ける可能性

 ホスティングサービスは、基本的に物理サーバーを仮想化して複数のユーザーで共有して利用します。

 1台の物理サーバー上に複数のユーザーが同居しているため、特定のユーザーがサーバーに高負荷を与えていると、他のユーザーでもWebサイトの表示が遅くなるなどの影響が出る可能性があるのです。

 これはホスティングサービスのなかでも「共用サーバー」としてサービスが提供されている場合です。

 物理的なサーバーをまるごと借りる「専用サーバー」や、仮想的に専用の領域をユーザーごとに割り当てる「VPS(仮想専用サーバー)」の場合は、他ユーザーの影響を受けません。

トラブル時のサポート体制

 多くのユーザーが利用するサービスであるため、トラブル発生時のサポートは即座に受けられるとは限りません。場合によってはトラブルが発生してから1日以上対応にかかることも考えられるでしょう。

 また、レンタルしたホスティングサービスの物理サーバーがダウンしてしまうと、事業者の復旧処理を待つことしかできません。

 ホスティングサービスは、導入コストがかかりにくいことから、初めてサーバーを導入する企業やITに詳しい人材がいない企業に向いています。

 しかし、ホスティングサービスには非常に多くの種類が存在しており、そうは言ってもどのサービスを選ぶべきかわからないという方も多いでしょう。

 ここでは、そのなかから企業での利用におすすめのサービスを3つ紹介します。

 CPIレンタルサーバーは運用実績20年の老舗ホスティングサービスです。

 法人利用率90%であり、最も低価格なプランでもディスク容量はWebとメールを合わせて500GBまでと、企業での利用向けに設定されています。

 稼働信頼性は99.98%以上に相当し、大容量・高速なネットワーク回線のため安定したサーバー運用が可能です。

 また、共有サーバー・専用サーバーとプランを分けられており、自社Webサイトの運営からECサイト運営、Webアプリの開発・運営などのさまざまな用途に対応しています。

サービス名 CPIレンタルサーバー
提供会社 KDDIウェブコミュニケーションズ
特徴 ・運用実績20年、法人利用率90%の老舗
・バックアップサービス標準提供
・WAF、Web改ざん検知などの豊富なセキュリティ機能
利用時の注意点 ・他のサービスに比べて費用は高め
・単一Webサイトの運営だけであれば過剰スペック
おすすめの企業 中小~大企業までの中規模以上のシステム構築を検討している企業や、大容量の複数Webサイトの運営を検討している企業
費用 ・シェアードプラン:4,180円/月~(税込み)
・マネージド専用サーバープラン:29,700円/月~(税込み)
・root権限付 専用サーバープラン:初期費用165,000円+22,000円/月~(税込み)
公式URL https://www.cpi.ad.jp/

 さくらのクラウドはさくらインターネットが提供するホスティングサービスです。

 細かくカスタマイズ可能な料金プランと、直感的に操作できるコントロールパネル、多機能なサービスが特徴です。

 最小構成は月額1,980円からと低コストで開始でき、将来的にWebサイトの規模が大きくなった場合でも増強しやすいホスティングサービスとなっています。

 また、セキュリティ関連機能も豊富で複数拠点に環境を構築しているため安定性が高く、安心して利用できます。

サービス名 さくらのクラウド
提供会社 さくらインターネット
特徴 ・直感的に操作できるコントロールパネル
・細かくカスタマイズ可能な料金プラン
・多機能なサービス
利用時の注意点 ・必要スペックの見積もりがある程度必要
・さまざまなオプションを付与するとコストが高くなる可能性あり
おすすめの企業 スモールスタートではじめて、将来的に規模を大きくしたいWebサイトの構築を考えている企業や、さまざまな機能を組み合わせて利用したい企業
費用 ・最小構成:1,980円/月(税込み)
・仮想2コア/4GB、SSD20GB:5,060円/月(税込み)
公式URL https://cloud.sakura.ad.jp/

 mixhostは個人での利用も多いホスティングサービス。今回紹介したホスティングサービスのなかで最も安価な価格設定であり、Webサイトの運営だけが目的の企業に最適なサービスです。

 WordPressが使えるレンタルサーバーとして、表示スピード満足度No.1の実績があり、さまざまなセキュリティ機能が標準搭載されているため安心して利用できます。

 2021年9月時点では、VPSサービスの「mixhost VPS」は新規申し込みを停止しており、共有サーバーのみが利用可能です。

 WordPressを使ったWebサイト運営が目的の場合は最適ですが、カスタマイズ性は高くなく、Webアプリなどを公開したい場合には向いていないため注意しましょう。

サービス名 mixhost
提供会社 アズポケット
特徴 ・表示スピード満足度No.1の実績
・月額1,000円以下での運用が可能
・WAF、ウイルススキャン、スパム対策などのセキュリティ機能が標準搭載
利用時の注意点 ・上位プランから下位プランへのダウングレードは不可
・最低契約期間は3ヶ月から
・UNIX系OSの共有サーバーのみ
おすすめの企業 自社Webサイトの運営だけが目的の企業や、WordPressを使った高速なWebサイト運営をしたい企業
費用 ・スタンダードプラン:968円/月~(税込み)
・プレミアムプラン:979円/月~(税込み)
・ビジネスプラン:1,969円/月~(税込み)
・ビジネスプラスプラン:3,949円/月~(税込み)
・エンタープライズプラン:7,909円/月~(税込み)
公式URL https://mixhost.jp/

 多くのホスティングサービスから、自社に最適なサービスを選ぶ際にはどのようなポイントに気をつければよいのでしょうか。ホスティングサービスを選ぶときに特に気をつけるべき3つのポイントについて解説します。

 ホスティングサービスを選ぶ際には、はじめにどのような目的でサービスを利用したいかを明確にすることが重要です。

 例えば、自社のWebサイトを運営したい、大量のWebサイトを運営したい、Webアプリを公開したいなど、企業によってその目的は異なるでしょう。

 その際に、はじめに確認することはホスティングサービスのサーバーのレンタル形態です。

 レンタル形態は大きく分けて「共有サーバー」「専用サーバー」「VPS」の3つが挙げられますが、目的別に最適な形態は異なります。

利用目的 最適なレンタル形態
自社Webサイトのみの運営 共有サーバー
Webアプリの公開、開発環境としての利用 専用サーバー、VPS
他ユーザーの影響を一切受けない環境が欲しい場合 専用サーバー

 共有サーバーは安価である反面、他ユーザーの影響を受けやすくカスタマイズ性は低くなります。

 対して、専用サーバーやVPSは費用が高くなるものの、カスタマイズ性は高く、さまざまな用途に利用可能です。

 これらに加えて、セキュリティをどの程度充実させるか、WordPressが標準で利用できるか、などの利用用途を明確にしておくとサービスを選びやすくなります。

 ホスティングサービスによってサポート体制の充実度は異なります。メールやチャットだけのサポート体制の場合もあれば、オプションで24時間365日電話対応まで含めたサポートを受けられる場合も。

 ホスティングサービスは基本的に専門的な知識やスキルがなくとも運営できますが、トラブルが発生した場合に、どの程度迅速に対応する必要があるかを考慮しておく必要があります。

 どの程度のサポート体制が必要かを考え、最適なサポートが受けられるサービスを選択しましょう。

 多くのホスティングサービスはCPUやメモリ、ストレージの増強が可能です。ただし、その場合の増強の度合いや費用はサービスによって大きく異なります。

 キャンペーン・プロモーションサイトのような通信トラフィックが大きく変動するようなWebサイトや、将来的に規模が大きくなるWebサイトなどを運営する場合には、柔軟に拡張できるかを確認しましょう。

 ストレージだけを増強したり、CPU・メモリだけを増強したりできるサービスもあるため、将来的な使い方まで考慮した上でサービスを検討します。

 また、ホスティングサービスごとにレンタルしたサーバー上でできることは限られています。

 Webサイトだけを運営したいのか、メールサーバーやWebアプリを運営したいのかなどによっても選択するべきサービスは異なるため、柔軟に対応できるサービスか否かもしっかりと確認することが重要です。

 ホスティングサービスを利用すれば、比較的簡単にWebサイトの運営やメールサーバーの運営が実現できます。それだけでなく、自社Webアプリの公開や開発環境としても利用可能です。

 さまざまな用途に利用できるホスティングサービスですが、その目的によって選択するべきサービスは異なります。利用する際のコストも大きく変わってくるため、まずは利用目的を明確にすることからはじめましょう。

 その後、拡張性や利用したい機能などの有無を基準に選択すると最適なサービスを選べるようになるでしょう。この記事で解説した内容をもとに、自社に最適なホスティングサービスを選んでみてはいかがでしょうか。