目次

  1. 専門商社から門外漢の家業へ
  2. データを聞いても「でえへん」
  3. 真夏の倉庫で商品整理
  4. 1年かけて社長を説得
  5. 20分で構築したシステム
  6. 年570万円分のコスト削減
  7. 社内のキーマンを見つける
  8. ITコンサルを新規事業に
  9. 余裕時間で生まれた新ブランド
  10. 創造性が発揮できる社会を

 ハマヤは1972年に創業し、羊毛や編み針など手芸用品の卸売りを主力にしてきました。

 創業家4代目で専務の有川祐己さん(42)は「正直、自分が継ぐのを意識したことはなかったです。手芸にも全く興味がなく、どういう会社なのかもほとんど知りませんでした」と振り返ります。

ハマヤが取り扱っている手芸用品

 有川さんは大学卒業後、大学やメーカーなどに研究開発機器を納める専門商社に入社。20代後半でより大規模の商社に転職し、メーカーのグローバル展開を支えます。32歳で1年間、中国にも赴任するなどやりがいを感じる一方、起業志向が高まりました。

 「大企業はどうしても縦割りの限界がありました。そんなとき、当時の同僚と独立して理想の組織をつくろうと盛り上がり、2016年に会社を辞めました」

ハマヤがかつて開いていた展示会の様子

 起業準備を進めていたとき、有川さんの母恵子さんが、ハマヤの3代目を継ぐことに。ただ、元小学校教諭の恵子さんは「経営の素人」(有川さん)で、すでに60代でした。

 「経営も順調ではなく、母からは荷が重いので経営に参加してくれないか、と相談されました。門外漢の事業でしたが、理想の組織づくりができるチャンスかもと考えたのです」

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