目次

  1. 廃棄される食器に再び価値を
  2. 食器のサブスク構想にも着手
  3. 技術を守るための自社ブランド
  4. 子会社を立ち上げた狙い
  5. ECサイトで中間工程をなくす
  6. コロナ禍だからこそチャンス
  7. 5代目が目指す夢

 創業家5代目として生まれた河野さんは、アメリカンフットボールで高校日本一に輝き、大手保険会社でも活躍。祖父の体調悪化をきっかけに家業への思いを強め、2020年秋、「河野」に専務として入りました。入社1年で経費削減や不動産の購入など、積極的な経営改善策を進めています(前編参照)。

 河野さんが今、力を入れるのは、持続可能性を意識した取り組みです。特に宿泊施設や飲食店が食器を入れ替える際に、古いものは廃棄されてしまうという問題に向き合っています。

 例えば、ホテルで使われる食器は高品質ですが、少しでも皿の絵柄がはげたら廃棄されてしまいます。河野さんは、耐久性に優れてまだまだ使える業務用食器を、一般消費者にも楽しんでもらえないか、と考えました。

 しかし、リサイクルの観点だけではビジネスとして成り立ちません。メーカーにとっても、中古品を安く流通させられたら困るはずです。河野さんは、捨てられる素材に価値を加えて、新しい製品を生み出す「アップサイクル」の食器を考えました。

 「アーティストを起用して、廃棄する食器に絵を描いてもらうことで、食器に再び価値をつけようと、試作にとりかかり始めました」

 食器のアップサイクルに取り組んでいる洋食器メーカー「ニッコー」の後継者が、河野さんと大学時代の同級生だったのをきっかけに、一緒に事業化を目指しています。

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