目次

  1. コロナ禍で成人式も七五三も中止
  2. お客さんの声からオンライン着付け
  3. 離れていても親子で着物を選ぶ時間を実現
  4. 待つだけ観光からの脱却 レンタル着物にも着手
  5. アフターコロナ時代の観光ニーズを紐解く
  6. 着物バイクでビジコンに参加した理由
  7. 顧客の変化を捉え、ピンチでも変化する勇気

 今もなお城下町のたたずまいが残る明治維新胎動の地として知られる観光地、山口県萩市で50年以上呉服屋を営んでいる、萩ふくやの福間直彦さんと淳子さん。

萩市の街並み

 2020年の七五三や2021年の成人式などの催事がコロナにより中止となり、打撃を受けました。

 キャンセルの電話対応に追われる中、福間さんは「今のままでは対応していけない時代が来た」と感じたそうです。人口減少と高齢化が進む地方において、今までの事業展開ではなく新しい時代に対応した呉服屋のあり方を模索する中、中小企業や起業を目指す人が無料で相談できる萩市ビジネスサポートセンター(はぎビズ)を訪れました。

はぎビズでの相談の様子。右は福間淳子さん

 ヒアリングするなかで見えてきたのは、福間さん夫妻が最も大切にしている「決して押し売りはせず、納得した時に買って貰えればいい」という姿勢でした。

 敷居が高く入りにくい呉服屋にならないよう、訪れた人が気軽に楽しくお茶が出来る場を用意しています。また、着物の着付けが苦しかった経験から着物が嫌いになる人を作らないよう、苦しくない着付けも行っています。このように、地域の人に寄り添う呉服屋として歩んできました。

 そんななか、お客さんとの何気ない会話の中で、「都会に出た子どもが成人式の着物を選ぶために帰省したくても、コロナで帰省しにくい」という声を聞いた福間さん夫妻。

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