飲食店の集客方法おすすめ5選【事例付き】実践のポイント解説
飲食店をとりまく環境は目まぐるしく変わり、集客に力を入れたいと思っても、何から手を付ければよいのか分からなくなっているオーナーさんが多くいます。ここでは、筆者がこれまで100店舗近くの飲食店に関わってきた経験から、集客に成功し、売り上げを上げるために有効な方法をお伝えします。
飲食店をとりまく環境は目まぐるしく変わり、集客に力を入れたいと思っても、何から手を付ければよいのか分からなくなっているオーナーさんが多くいます。ここでは、筆者がこれまで100店舗近くの飲食店に関わってきた経験から、集客に成功し、売り上げを上げるために有効な方法をお伝えします。
目次
飲食店を取り巻く環境は、年々厳しくなっています。最低賃金や都心部の家賃上昇は特に厳しいものです。
「おいしいものさえ出していればお客はつく」と言われた時代があったことすら忘れそうです。
さらに、新型コロナの影響で、苦しんだ飲食店が多かったことと思います。しかし、これからは集客と利益確保に力を注いでいきましょう。
集客とは、読んで字のごとく、「客を集める」ことです。
飲食店ではこれに加え、望んだターゲット層のお客を集めなければならないので難しくなります。なぜなら、店の雰囲気はお客によって変わるからです。
たとえば、カップルが記念日に食事をしようと選んだ店で、何組もの学生がコンパをしてていたらムードは壊れます。
サッカーの日本代表戦で盛り上がりたいと行った店が、歓声を上げる度に白い目で見られるようではおもしろくありません。
このように飲食店では、単純に集客をすればよいという話でないのです。
また、クーポンで集客をしても、リピートにつながらなければ意味はありません。
早く売り上げを確保したいからと言って、「誰でもいいから、とにかく集客だ」とならないことが重要なのです。
ここからは、飲食店が集客のために有効な方法を紹介します。もちろん店舗によって採用しやすいものとそうでないものがあるでしょう。
しかし、苦手意識をもっているだけで、やってみると効果的と言うことが多くあります。下表やその下の内容を参考にしながら、まずは、どうすれば自分の店に使えるかと考えてみてください。
手法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
店頭アピール |
即効性がある |
日々の負担がある |
SNS活用 | 広く効果的にアピールできる | 効果がでるまで時間がかかる |
会員カード | リピート客や来店回数を増やしやすい | カードの管理方法に工夫が必要 |
口コミ | 効果が高い |
口コミの内容をコントロールしにくい |
割引 | 即効性が高い | 安くしないと売れなくなる可能性がある |
飲食店を利用したい人の中には、最終的に行く店を決めていない人も多くいます。そのような方に利用してもらうには、店頭のアピールが重要です。
看板を出していれば店の存在を認識されるという感覚は間違っています。多くの人は素通りしているのですから。
そうならないためには、店頭に特徴的なポスターを置いたり、おもしろい置物で飾ったりするべきです。
もっとも効果が高く実践しやすいのは、黒板を置くこと。
「今日のクラフトビールは〇〇です」とか「〇〇入荷!」などとメニューをアピールしたり、「18時までの入店でファーストドリンク180円!」とお得感をアピールするのもよいでしょう。
店頭アピールの最良のメリットは即効性があること。また、黒板の場合は、ボードとペンさえあれば、その他のコストがかからないのもよい点です。
デメリットは、毎日書くとなると負担になることくらいです。
飲食店にSNSが有効だと言われて久しいですが、実際にうまく活用できている店舗は少ないです。
その理由は、即効性がないこと。
飲食店では、駅前で配ったチラシをもって、すぐさま来店するというくらいの即効性が求められてきました。
そのため、使い出しても効果がでないSNSを何カ月も使い続けることに、あまり価値観を見いだせません。
しかしSNSは、フォロワーが増えれば、店頭でチラシを配るよりもずっと少ない労力で多くの人にアピールできます。近くにいる人はもちろん、遠くにいる人にもお知らせを送ることができます。
SNSにはInstagramやツイッター、Facebook、LINE公式アカウントなどがあります。
飲食店は店内やメニューなど写真映えがよいのでInstagramがもっとも適しています。写真撮影に負担を感じるなら、ツイッターもよいでしょう。
フォロワーを増やすには、毎日アップを続けること。効果がでてくる目安としては、最低でも3カ月。または100回投稿を目標にしてください。
最初のうちは地道すぎて意味がないと感じるかもしれませんが、長く店を続けるのであれば、ぜひ取り組んでいただきたい施策です。
古くから活用されてきた会員カードは、リピーターの来店頻度を上げるのに効果的です。来店のたびにスタンプを押したり、利用金額に応じてポイントを貯めていくのが一般的。
今どきカードは好まれないと考える方も多いかもしれませんが、方法はいろいろとあります。
たとえばスマホで管理する方法。オリジナルのシステムを作らなくても、LINE公式アカウントを作ればスタンプカードを発行できます。
また、会員カードに名前を書き、壁に貼りつけて管理している店舗もあります。これであれば、お客自身が持ち歩く必要がなく、わずらわしさが軽減されます。
店舗から発信する情報よりも、高い効果を発揮するのが口コミです。これには、身近な人にリアルに伝える口コミと、ネット上で伝える口コミ(評価)があります。
特にネット上の口コミは重要です。店に予約をするため、または行き方を調べるために検索するとGoogleや食べログの情報が出てきて、自然と口コミを目にする機会が増えているからです。
もちろん、偽の口コミを書き込むのはよいことではありませんが、お客に口コミを書き込んでもらう方法はあります。
この方法をうまく活用して売り上げを上げた事例を後述します。
割引の印象について、ひとつ質問をします。以下のうち、どちらの店舗に行ってみたいと思いますか?
後者という方が多いのではないでしょうか? インパクトが大きいはずです。
では、店舗側の負担はどうかといえば、理論上はどちらも同じ。これに気づかず、ダラダラとした割引をする店舗が多いのは残念です。
これは私がコンサルをする際に、おすすめしてきた方法であり、大きな効果を上げている方法です。なぜなら、やり方によっては、複合的な効果も高いからです。
これについても後述します。
ここから、実際に集客に成功した事例を二つ紹介します。
この店舗は営業歴が長く、トラブルからGoogleに悪評を書かれた過去があり、評価点数が低くなっていました。しかし実際には固定客が多く、実情と口コミに差がある印象でした。
そこで、常連客に対し、
「Googleアカウントをもっているなら口コミをしてほしい。内容によらず、ドリンクを一杯サービスする」
と依頼するようにしました。
評価内容をコントロールするつもりはないので、依頼時には必ず、「正直な気持ちを書いてくれていい。店に忖度する必要はない」と付け加えてもらったのがポイントです。
しかし実際に依頼するのは常連客ですから、満足している点や、マスターの人柄、スタッフのおもしろさなどを丁寧に書いてもらうことに成功しました。
さらに、MEO効果(Google検索で「地域+ジャンル」と入力したときに最上位の地図に表示される店舗紹介)が上がり、検索件数が爆発的にアップしました。
当然、来客数は圧倒的に増えましたが、この施策にかかったコストは、お客にサービスしたドリンク代だけ。極めて費用対効果が高いのも特徴です。
なお、口コミの内容を無理によいものにしようとするのはかえって悪評につながります。
また、偽アカウントで偽のコメントを書く人もいますが、そのようなことはフェアではありません。小手先のテクニックに走って、本当の意味で成功している人は見たことがありませんので誤解なきようお願いします。
ある居酒屋は急場しのぎの策として取り組んだ「全員10%オフ」を乱発。お客は安いときにしか来なくなり、利益を圧迫するようになっていました。
そこで10%オフをやめ、月に一度、「10組に1組半額、または常連になれば無料」というキャンペーンをはじめました。
ここで言う「常連」とは、月初に渡すスタンプカードにスタンプを4つためるか、月に2万円以上利用することを条件としました(スタンプカードは毎月変わります)。
前述していますが、店側の負担は、全員10%オフと、10人(組)に1人(組)無料は、理論上変わりません。
しかしインパクトが違うため、反応は大きく変わります。イベントの日は無料または半額になることを期待して、客単価が1.5倍ほどになりました。
また、常連の権利が欲しいために、イベントの日以外に来店する人も増加。結果として、月間の売上は3割アップとなり、利益も激増しています。
いかがでしょうか? やり方を少し変えるだけで、大きな効果につなげることができることが、おわかりいただけたでしょうか?
集客を成功させ、売り上げを増加したいと考える飲食店は多くあります。
即効性だけを求めると、無理な割引やコストをかけた集客に手を出してしまいますが、これは賢い選択とはいえません。なぜなら、コスト負担ほどの効果が出ることは、ほとんどないからです。
集客の目的は目先の売り上げアップではなく、利益確保のはず。そのために何をするべきなのか、自分の店にターゲットとなるお客が来やすくなる方法は何なのか。
目先の集客にとらわれず、冷静に対策を練ることが、息の長い店舗経営に必要なことだと思います。
ぜひ店舗にあった集客の施策を実行してください。
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