目次

  1. 県内外からコメの収穫に100人
  2. コメづくりの理由、離農者の増加に危機感
  3. 契約農家、2軒から20軒へ
  4. 江戸時代のコメ「穂増」も復活
  5. SNSで世界観発信 若手杜氏とネットワーク
  6. 市場は縮小でも純米吟醸酒は2割増

 前編「獺祭への武者修行で開眼 花の香酒造6代目が学んだのは世界観」では、100年以上続く花の香酒造の6代目、神田清隆さん(44)が、会社の再建を進め、自社で新たなブランドを確立するまでのストーリーを紹介しました。

 10月上旬、熊本県和水町の花の香酒造の田んぼで開かれたコメの収穫祭。県内外から約100人が集まり、黄金色に実った酒米を手作業で収穫していきます。刈り取った稲は束ねて「はざ掛け」に。天日干しの後、精米し酒造りがスタートします。

稲刈りの風景

 花の香酒造がある和水町は、日本遺産に認定された菊池川流域で、稲作が盛んな地域。9万年前の阿蘇山の大噴火で火砕流が凝固してできた地層で自然ろ過された水質の良さでも知られています。

 日本酒のラベルを見ると蔵元の所在地とコメの産地が違うことが多いですが、神田さんはなぜ地元産の酒米に着目したのでしょうか。「日本酒は8割が水でできていますよね。地元の水とコメは相性がいいと考えたからです」(神田さん)

 もう一つは、和水町の過疎化が進み、離農者が増えていることへの危機感です。神田さんが昭和30年代と今の水田や山の変化を写真で見せてくれました。

昭和30年代の和水町の様子

 「昔、商売のために竹や杉が植えられ、その後放置され山が荒れてしまった。高齢化で離農者も増え、水田も減っているんです」と説明します。

(続きは会員登録で読めます)

ツギノジダイに会員登録をすると、記事全文をお読みいただけます。
おすすめ記事をまとめたメールマガジンも受信できます。