目次

  1. アルバイトとして家業へ
  2. 不用品の処分に動く
  3. トップダウン経営に課題を感じて
  4. クーポン雑誌制作に反発
  5. 高校生向け就職情報誌に活路
  6. ウェブ人材を自前で育てる
  7. 自社サイトの工夫で採用増
  8. 採用ブランディングを強みに
  9. 社員の満足度を高める面談
  10. 「対話こそすべて」の経営

 さくら印刷は、鎌田さんの祖父が1949年に創業。現在は父の俊郎さんが2代目として従業員30人を引っ張ります。印刷事業だけでなく、最近はデジタルコンテンツやスクールなどの事業も手がけています。

 鎌田さんが子どものころ、父は忙しくてあまり話す機会がなく、印刷業を営んでいるのを知ったのは20歳のときでした。

かつてのさくら印刷

 鎌田さんは建築士を目指し、大学では建築学科に進みました。しかし、細かい作業が苦手で建築の勉強に興味を持てず、経営や経済の授業ばかりを受講していました。営業に興味を持ち、就職したのは都内の保険会社でした。

 個人営業を担当し、1日300~400件の電話を繰り返す毎日。鎌田さんは仕事に面白さを感じられず、入社して5カ月で辞めてしまいました。

 いわゆる「ニート」になった鎌田さん。都内で暮らしたものの1カ月半で金銭的に苦しくなり、次の仕事が決まるまで家業でアルバイトをしようと、2014年11月、茂原市の実家に帰りました。

 鎌田さんは工場に配属され、印刷されたものを加工して製本する仕事を担当しました。1人でコツコツやる業務が合っていました。

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