目次

  1. 中小企業活性化協議会とは
    1. 中小企業再生支援協議会とは
    2. 経営改善支援センターとは
  2. 中小企業活性化協議会、今後の役割
    1. 収益力改善に向けた計画策定支援【必須に変更】
    2. 資金繰り計画の策定支援
    3. 金融支援(リスケジュール)の調整 【必要に応じて】
    4. 金融機関との支援方針の目線合わせ

 中小企業活性化協議会は、収益力改善・事業再生・再チャレンジを一元的に支援する組織で、2022年4月1日に立ち上がります。

 できるだけ多くの事業者を早く支援するため、金融機関、民間の専門家とも連携し、中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを推し進めるとしています。必要に応じて、民間専門家による事業者支援もサポートする予定です。

 岸田首相は3月3日の記者会見で、中小企業活性化パッケージを公表。そのなかのテーマのひとつとして、中小企業活性化協議会の立ち上げを明らかにしました。

金融機関や税理士など、全国3万以上の認定支援機関の総力を結集することで、中小企業の収益力改善のための伴走支援を徹底いたします。その上で、必要な場合には、金融機関の協力の下で、債務カットなどを行いつつ、収益力の改善の取組が円滑に進むよう、「中小企業の事業再生等のガイドライン」を策定し、経営者の退任を原則としない形での事業再生を推進いたします。全国47都道府県において、収益力改善・事業再生・再チャレンジを一元的に支援するための体制を整備し、地域全体で苦しむ中小企業の支援に取り組んでいきます。

首相官邸公式サイト「3月3日岸田内閣総理大臣記者会見」

 中小企業活性化協議会の前身となるのが、中小企業再生支援協議会と経営改善センターです。

 中小企業再生支援協議会とは、中小企業の再生に向けた取り組みを支援するため、都道府県ごとに置かれている公的機関です。たとえば、過去の投資による借入金の返済負担で資金繰りが悪化しているが、事業の収益性はあり、事業再生の意欲を持つ中小企業などに再生計画をつくるなどの支援をしてきました。

 経営改善支援センターとは、金融機関への返済条件等の変更の必要がないうちに経営の改善する「早期経営改善計画策定支援」や、金融機関への返済条件等を変更して資金繰りを安定させながら、経営を改善する「経営改善計画策定支援」が受けられる支援機関です。

 商工会議所や公益財団法人などに委託し、すべての都道府県に設置されています。

 中小企業活性化協議会は、中小企業再生支援協議会と経営改善センターを統合し、①収益力改善、②事業再生、③再チャレンジという3つの役割を持ちます。

 とくに政策のなかで大きな節目となるのが、「収益力改善支援」です。コロナ禍以降、新型コロナ特例リスケジュール支援(特例リスケ)など、資金繰りに困る中小企業に対し、緊急的な資金繰り支援を続けてきました。

 しかし、4月1日からは、中小企業活性化協議会がポストコロナを見据えて収益力改善の支援へとシフトしていきます。支援の流れは次の通りです。

中小企業活性化パッケージの政策の一つ、収益力改善支援の強化の概要(経産省の公式サイトから引用https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2022/220304.html)

 ポストコロナに向け、収益力改善のためのアクションプランづくりを支援します(原則無料)。

 今後数年間の資金繰り計画づくりを支援します(原則無料)。

 必要に応じて、金融機関の支援姿勢を確認した上で、中小企業に代わり、金融機関に返済猶予を要請します。その後、定期的なモニタリングをします。

 金融機関とアクションプランの進捗状況を確認し、今後の支援方針を擦り合わせます。その後、適切な支援策へ移行します。