【8月15日は何の日】75年前、インドがイギリスから独立
「実は10年前のきょう…」「きょうはこんな日なんですけど…」。取引先との雑談や、プレゼンの冒頭、社内の朝礼など、日々のビジネスシーンでのちょっとした会話のきっかけになる話題の“タネ”を紹介します。
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75年前の1947年8月15日、イギリスの植民地だったインド帝国が解体し、インドはイギリスから独立しました。
もともとインド帝国は現在のインドだけでなくパキスタン、バングラデシュなどを含む広大な国でした。
しかしインドを植民地としていたイギリスは第2次世界大戦を経て影響力が低下。かつての「大英帝国」時代のような影響力は残っていませんでした。
その結果、旧インド帝国の地域ではヒンズー教徒とイスラム教徒との間で宗教対立が政治的な確執にまで発展し、ヒンズー教徒が多いインドとイスラム教徒が多いパキスタンは別の国として分離・独立することとなりました。
この分離・独立にあたり、イスラム教徒が多い地域とヒンズー教徒が多い地域の双方で、異教徒に対する暴力的行為や虐殺が繰り返され、多くの犠牲者が出ました。のちに「インド建国の父」といわれるヒンズー教徒のマハトマ・ガンジーは宗教的対立を乗り越えて強い統一国家をめざすべきだと説いて回りました。しかし対立は収まらず、かつての支配者であるイギリスが分離・独立を決めました。
その結果、双方の地域で異教徒が難民となり、安全に住める場所を求めてインドのイスラム教徒がパキスタンを、パキスタンのヒンズー教徒がインドをめざして移動する混乱が発生。この移動でも異教徒への暴力行為の連鎖は収まらず、独立から翌年の1948年にはガンジー自身も過激派のヒンズー教徒に殺害されてしまいます。
1948年にはインド北西部のカシミール地方の領有を巡って両国による戦争が勃発。カシミール地方は住民の多数を占めるイスラム教徒を少数のヒンズー教徒が支配してきた特殊な地域でした。カシミール地方をめぐる両国の対立は泥沼化し、それぞれが核武装して牽制しあう国際問題に発展し、1965年と1971年にも戦争は起きました。
現在インドは人口13億人を超え、人口の数では中国に続く世界第2位に。人口は近い将来、中国を上回る勢いで増え続けています。しかし、第2次世界大戦後の混乱が禍根となり、パキスタンとの緊張関係はいまなお解決していません。
(朝日新聞社の経済メディア「bizble」で2021年8月15日に公開した記事を転載しました)
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